kebesu-a2w 櫛来社のケベス祭
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2009/10/14・15

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【9月30日】トウバモト他役割決め他

午後7時に公民館に集合し、神官の吊籤によってトウバモト(当場元:神饌の準備他を執り行う家)、トウバモト(次点)、ケベスドン、ケベスドン(助)、オカヨ(神饌の係り)、オカヨ(助)、トウジ(甘酒の係り)、トウジ(助)を選出する。

吊籤によって選ばれたトウバグミの役割
・トウバモト:松本茂氏 ・トウバモト次点 国廣崇紀氏・オカヨ:国廣弘氏 ・オカヨ(助):岐部富夫氏 ・トウジ:国廣久士氏 ・トウジ(助):松本利一氏。なお、トウバの総括として、大世話人を置くが、これは、トウバ組の人々の推薦で決められる。当トウバ組の大世話人は国広太志氏。

その他、吊籤のために、三宝5台、玉串3本を準備する。


【10月2日】注連縄、コモつくり

午前7時に公民館に集合し、注連縄25本・延べ総長118mを綯う。
注連縄は標縄とも書き、神の世界と俗界を仕切る標しとして使われる。一般的には、左巻きに綯い、〆子・御幣を挟んで用いる。材料は、比較的長く柔らかいもち米の藁を用いる。
この長さを手作業で作るのは想像を絶する労力と時間を必要とする。


【10月3日】シダ切り、カズラ取り他

公民館に7時半集合し、男衆は庭火用シダ300把分を山へ切り出しに行く。女性は櫛来浜へカズラを切りに行く。

その他、神小屋用の材料である茅(ススキ)、竹、餅搗き用の杵、甘酒仕込み用の杵、まぜ棒、カリマタ(ケベスやトウバが火のついたシバを引っ掛けて振り回す、先の二股になった棒)を山から切り出す。


【10月4日】スダシバ取り、神小屋つくり他

公民館に7時半集合し、山へスダシバ取りに、並びにカリマタを切り出しに行く。

手分けして、神小屋をつくり始める。

当日は、お宮の境内他の草も刈る。


【10月7日】神小屋つくり他

朝7時半トウバモトへ集合し神小屋をつくる。神小屋はトウバモト母屋の軒先に、高さ7尺、幅・奥行き各1間の大きさでつくる。

中には、2段の棚を設ける。材料は10月3日に集めた茅や竹を用いる。今年は、台風が来るとの情報があったので、さらに補強を行う。

大世話人が、案内状を配る。


【10月8日】オクダリの準備

神社御供え所にあるオクダリ諸道具に注連縄をはる。トウバモトにも注連縄を張る。神シバを切る。


【10月9日】オクダリ、甘酒の仕込み

オクダリ:早朝6時にお宮の御供え所に白装束で集合。オカヨは、神饌2合を炊く。

オクダリとは、御供え作りに必要な諸道具、ジンドウサマの面をトウバモトの家に運ぶ行列。その順序は、オカヨが先頭で、塩水の桶を持ち、榊で塩水を振りまき清めながら行進する。続いて小旗、太鼓、笛・鉦(手拍子)、ジンドウサマ、蒸篭、御供え桶(ニナイ)、御供え櫃(穀櫃)・三宝、神官、祭典長、トウバグミと続く。
楽士の太鼓・笛・鉦は賑やかに奏でながら、神社御供え所からトウバモトの家まで行進する。

オカヨは、宮司と御供え係りを賄う。

甘酒仕込み:午前8時からトウバモトでトウジとトウジの助が仕込むが、その飯は女性が炊く。
ジンドウサマは枡に収められて、神小屋の最上段中央に祭られる。

この日から、トウバグミの男たちは、他人と火を混ぜない、肉類を食べない、女性を避ける、毎日禊ぎをするという厳しい清めの生活となる。


【10月11日】ケベス、受け手の稽古を始める

ケベスマツリの練楽の所作の練習を始める。また、庭火に使うシダを束ねる。


【10月12日】餅搗きの準備(御供え作りの準備)

朝7時にトウバモトへ集合し、餅米を蒸す、竈や羽釜、焚き木、プロパンガス、コンロ、モロブタ、石臼、杵などを準備する。


【10月13日】御供えの餅搗き他

朝6時に公民館に集合し、祭事のお供え物とする野菜を各戸に取り立ててまわる。野菜のない場合いは、野菜代として100円をもらう。

午後1時公民館に集合し、祭事に必要なものを買出しに行く。

餅搗き(御供えつくり):トウバモトに12時半集合し、餅米を蒸し始める準備に取り掛かる。全員白装束に身を固め、口に真柴の葉を銜えて餅搗きを執り行う。この間、女性がトウバモトに立ち入ることは出来ない。

午後2時頃から餅つきが始まる。