楽しいお昼を和気あいあいに過ごして、午後のコースが始まる。高岩から高岩越えの峠に下る。まさかと思う方向へ踏み出す。厳しい岩の斜面を這い下りて、一段下に下り、さらに急な斜面を木の枝にしがみ付きながら下って行く。下り終わりは上から転がって来たような大きな岩。高さが5m強かな?地震でも来たら間違いなく転がって行きそうだ。
その岩の左を通って、少し巻き込みながら下ると高岩越えと呼ばれる山道の峠に出る。昔は、前田と西方寺の谷を結ぶ生活道路だったのだろうか。
さらに進むと、目の前に再び大きな岩が立ち塞がる。この岩も、左に回り込んで、険しい壁をよじ登る。これが、「金敷様」と呼ばれる、農耕牛馬の神様を祀る岩。昔は、この峠の下まで牛や馬を引いて登り、安全祈願をしていたそうだ。今は、その道も荒れ、金敷様も忘れ去られようとしている。
登り道には、大きな桜の幹が朽ち果てて転がっていた。この桜の木が、満開に美しい花を咲かせていたのだろうと想像する。 |
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この上に金敷様が祀られている |
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金敷様 |
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天辺に登ると金敷様の祠と水を湛えた手水鉢がある。皆で手を合わせて頭を下げた。
探検隊の探検研究が始まる。H田さんが、船型手水鉢の後方を眺めて、「手水鉢ではなく、石仏を納める石祠では?」との疑問を呈した。良く見れば、船の後部と捉えていた出っ張りは、台石に建てる嵌め合いの部分と思える。
台石は無い。もしかしたら、どこかにあったものを手水鉢に代用したのではなかろうか?皆で想像を逞しくした。
ここから見返れば、先ほど過ごした高岩が見え、見通せば、これから向かう一望岩がある。
大きな岩瘤を下りて、次の瘤に向かう。目印は、先週私が逆ルートから付けた赤テープと、その前にO日向隊長がナタで付けた切り枝。 |
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ここでアクシデント発生。赤テープがいい加減大雑把だったので、O日向さんの切り枝をたよりにした。
岩瘤を右に回り込むのが正しいのだが、切り枝に吸い寄せられた。その様子を最後尾を歩いていたM野さんが気付いて、待ったをかけた。私が向かった切り枝の方向に進むと谷を下るとの指摘。
GPSナビは待っているが、役に立っていない。少し戻って前回のトラックログを読みだしてみれば、確かに違う事が分かった。軌跡はもう少し右に回り込んでいた。
前回の軌跡に沿って少し進むと、先週自分で巻いた赤テープがあった。その向こうにも赤いテープを巻いた木が見えた。
それにしても、あの切り枝は何だったのだろう?
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程なく、高岩の次に高いと思われる瘤に到着した。この瘤には何もないが、進行方向右側の絶壁の凄さと、そこから見える谷とその向こうに広がる絶景は素晴らしい。また、進行方向一望岩側には、イチジクのような実を付ける蔓性の植物「オオイタビ」が一面を覆っている。
ここから下の尾根までは、結構な急斜面。ここを下りると、やや平坦な尾根道となる。初回、大きな発見となったムラノ岩へ向かう分岐に未登頂の岩瘤がある。今日はこれに登頂しよう。
さっそく、私がよじ登ってみる。少々難儀したが、私が登れだのを見て皆さんがよじ登った。ここは最高の絶景。もしかしたら、一望岩よりも変化にとんだ景色が望めるかも。 |
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頂上には、はるか昔に枯れたであろう松の屍が転がっていたのみで、鹿の糞すらなかった。・・と言う事は、鹿より私たちの方が先に登頂した証。
この岩を今日のメンバーのJ三さんの名をいただいて、「じゅうぞういわ」と名付けた。
ここからは一望岩も高岩も、西方寺の谷も広く見渡せる。もちろん、スギの林から立ち上る花粉のノロシも望めた。
さて、登には登ったが、下りは大変、問題は木の枝に背中のリュックが引っかかる。皆は何とか木の枝につかまって滑り降りた。私は、持ってきたロープを使って下りた。やっとロープが役に立った。 |
オオイタビの壁上から一望岩眺望 |
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オオイタビの壁下から |
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じゅうぞう岩から高岩方向眺望 |
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H田さんとJ三さん |
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じゅうぞう岩に立つ今日の探検隊 |
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青鬼ルートを歩く |
ここからは、青鬼君が発見した「青鬼ルート」を通って「ムラノ岩」へ向かう。
ムラノ岩には2本の松の本が生えている。この岩も登るコースが結構難しい。進行方向左横から木に掴まって這い上がる。
這い上がって。少し戻るとゴツゴツした岩瘤面に出る。
見返れば、先はどのじゅうぞういわ岩とその前に登った高い岩瘤が見える。その向こうに、高岩の天辺が見える。
ムラノ岩を下り、痩せ尾根を歩くと、最後の岩瘤がある。これを越えて、一望岩の取り付きの壁にでる。ここを上るために持ってきたロープだったが、ちょっと初回と取り付きの場所を改めたら、難なく這い上がれた。前回躊躇していたH田さんも難なくクリア。折角持ってきたロープは役に立だなかった。 |
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ムラノ岩で・・ |
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ムラノ岩から谷の眺望 |
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一望岩の天辺です |
一望岩に這い上がって記念撮影。ここからもいつもの絶景を楽しんだ。ただ今時刻は14時半。ちょっとオーバータイムかな?
残るは、後野越えの峠まで下り、林の中を六所権現社まで歩き、県道を楽庭社まで戻る。時間にして、1時間程だろう。
峠まで下ると、峠に張付いていた椿の木が切られているのに気付いた。こんな環境の厳しい場所で生きていた椿を人間の欲望が切り取ったのだろうと思うと悲しい気がした。ここで美しい花を咲かせていて欲しかった。
やや疲れた足の踏ん張りが利かないのをかばいながらゆっくりと下る。途中、岩壁の窪みの祀られた観音様に立ち寄り、百手祭りの説明をM野さんとJ三さんとM本さんにする。
さらに下ると、道の上に庚申塔があるので、これも紹介した。 |
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