目次へ 国見町/不動山・五辻不動岩屋 sub3-28 2003年2月09日

大分空港から、国東半島をぐるりとまわる国道213号線で伊美港方面へ。伊美港を過ぎると左手に双国高校、その先に伊美トンネルがあらわれる。その伊美トンネルの手前を赤根温泉方面への県道31号線を約5km程入り込むと案内板が五辻不動への入り口を教えてくれる。そこから山道を4〜5百メートル登れば不動山下の駐車場に到着する。ここからは自分の足で登る。10分も歩けば頂上の五辻不動尊へ到着する。健脚で無くとも、ゆっくり登ればたどり着く。

頂上は足場が険しいので、足下は最低運動靴が必要。眺めはすばらしい。空気の透明度の良い日なら、姫島は手の届く距離にも思えるほどに眺望できる。また周防灘を挟んで、山口県の防府市や宇部市も視界に入る。こんな厳しい岩山の上にこれだけの建物をどのようにして作ったのか?
お堂に座り、不動明王と向き合っていると、何か不思議な気持ちになってくる。是非とも、自分で訪ねていただきたい。より多くの人に、このすばらしい景色と空間を体験して欲しい。

五辻不動尊由緒・・(立て看板の転記です。誤写ご勘弁)元正天皇養老の初め(718)六郷山を開創された仁聞菩薩は『華厳覚満体能行満の四大徳を卒いて伊美の五智窟(五辻岩屋)に登り不動五担の秘法を行じた時東北海の龍王其の徳を欽仰して一千の燈を献ず其の霊応に縁て寺を千燈寺と名付け其の補陀落山と号するは千燈観音を祀るを以て也』と豊鐘善鳴録にある。

国見町千灯地区

伊美川を渡る橋の手前に鮮やかな黄色の菜の花が春の到来を教えてくれる。どこからか飛んできた菜の花の種が田んぼの端で発芽したものだろう。田んぼの畦に頬杖をつく様にカメラを構えてシャッターボタンを押した。

花の向こうには旧千燈寺や不動山(352m)への道が写っていた。

車を県道付近に止めて、ゆっくりと歩くことをお勧めしたい。

車の場合は左回りに不動山下の駐車場まで上り、そこから不動山の五辻不動尊へ参拝するのがいいだろう。駐車場の上には五辻茶屋がある。ここで腹ごしらえしてからという手も有りますが、五辻不動尊へ参拝後の休憩としてもいいだろう。

駐車場からは五辻不動堂の他、少し戻って、旧千灯寺奥の院や五輪塔群へも近い。五輪塔群へは道案内が有るが、奥の院へは、五輪塔群への道案内から20mほど車道を下り、山中の谷方向への道を下れば到達する。途中T字路が有るが、右が奥の院で左が五輪塔群、その下には旧千燈寺の跡があり、石版に刻まれた仁王を見ることが出来る。もちろん、下の駐車場からも上ることが出来る。旧千灯寺へは、帰路に立ち寄るのが良い。

不動山周辺の詳細情報は「旅にありて」の「国見町の風景/旧千灯寺散策」で紹介されて
います。


2000年7月に一度取材記を掲載したが、再度取材を試みた。
前回同様晴天。午後からの取材のために、やや太陽の位置が気になる。周防灘の眺望は午後が良いが岩屋の撮影は午前が良い。今日は主に周防灘の眺望を狙ってみた。

ナイショだが、k-plan氏の素晴らしい写真に少し対抗心を燃やして、足掻いてみたが、どうだろうか・・汗はかいたが、(冷や汗も)楽しい時間が過ごせて満足感が得られた。

不動山(352m)の頂上は写真のように岩である。写真(左)の右手(東面)に岩屋が建てれ、五辻不動尊(不動明王)が祀られている。ここからの眺めは素晴らしく、天空から下界を見下ろす気分になれる。
岩山の左手遠望には隠居の住む香々地も見える。
私も岩の上にカメラを置いて景色の中におさまってみた。

ハアハアとやや不足気味の酸素を飲み込みながら、体力の衰えを噛みしめる。
途中、休憩を兼ねてあちこちを展望しながら絶景を楽しむ。信者や町の人々によって綺麗に整備された参道を上る。途中から岩山を削った石段となり、鎖を握りしめながら一段ずつ慎重に上る。石段の先には一対の石灯籠が見える。時折振り返ると青く広がる周防灘に浮かぶ姫島が見えた。その手前には熊毛の港も確認できる。ハアハアと息を継ぎながら頂上を目指した。


岩屋は不動山の岩に食い込んで建てられ、不動明王は岩のくりぬかれた部分に安置されている。お堂は信者や村人によって、いつ来ても綺麗に管理されている。格子戸をあけて上がり込み、寝転がって天天井画を見ていると時間を忘れそうになる。ほのかな線香の残り香が気持ちを落ち着けてくれる。
しばらく寝ころんで、不動明王に今日の幸せを感謝して、家族の明日の健康を願った。
周防灘から伝わるかぜが国東半島の木々のイオンを含んでお堂の中に吹き込んでくる。


ちょっと遊んでみた。
キツイ石段を登り詰めたところにある一対の石灯籠。その先端が良い丸みだと感心をして眺めていたら下弦の月が浮かんでいた。

試しに丸い部分のみをアップにしてみたが、ちょっとおっぱいみたいで五辻不動尊の石灯籠を汚してしましそうだ。そこで、
このアングルとなった。

デジカメのワイド端で撮ると月が点になる。ここだけちょっと悪あがきをしてしまった。

アッという間に一時間がとっくに過ぎていた。陽は大きく西に傾き、帰り道で仰ぎ見る石灯籠もシルエットになっていた。足下には不動茶屋が西日のスポットライトにに照らされていた。少しだが、空気がだんだん冷たくなって行くように感じて、いつの間にか汗も引いていた。
足下を気遣いながら、少しずつ冷えていくかぜを感じながら周防灘と国東半島がつくる美しい景色を楽しんで山を下った。