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この地域は、私たちのような外部から来る人間に駐車場を提供してくれる。お地蔵さんにほど近い所に自動車のボンネットに書かれた地域の地図に駐車ができる場所が書かれている。 実に絵心を感じる地図である。(土屋さん作) ここから30歩も歩くと谷間を下る小川があり、細い橋が架けられている。澄んだ清流の向こうにいつもと変わらぬお地蔵さんが迎えてくれた。お地蔵さんたちの間に真新しい色のお地蔵さんがいくつかおかれている。苔生したお地蔵さんたちの笑顔が新しい仲間を喜んでいるように見える。うしろの土手にはオレンジ色に紅葉した櫨と黄色いかぼすが色の少ない世界を飾って寒い冬模様を少しだけ暖かく見せている。 |
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ここを訪れる人にいくつかのお地蔵さんを差し上げたそうだが、ここで見る地蔵が最もいい顔と思う。いつまでもここにお地蔵さんのにこやかな顔を見に来ようと思う。皆さんもこのお地蔵さんをねだらないで自分の足で会いに来て欲しい。御年79歳の原内さんは去年お会いした武蔵町から嫁入りしたおばさんの旦那さんだった。 私がおばさんと交わした話をおじいさんにすっかりバラしてしまったが、後の祭りだった。帰りに再訪をお約束し、おみやげにと孟宗竹でこしらえた鬼のお面をいただいた。 |
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この谷がいつまでも国東半島の自然財産であり続けることを願うが、生活の変化でその景観も変化して行く。それを受け入れて行く事もきびしい国東半島の山間には必要なことだ。私も国東半島に生まれて育った。きびしさを少しは解っているつもりでいる。こんな話を原内老人としたが、最後に「この谷も木々に被われてのぼれなくなりますよ」と笑ったが、私はここを訪れ続けると約束し、可愛いお地蔵さんを差し上げてしまわないようにお願いもした。 原口さんの作品は、胎蔵寺の境内にもおかれています。 |
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