目次へ 両子寺経由両子山登山 sub3-23 2002年11月10日

両子寺(ふたごじ)/両子山(ふたごさん)
11月9日(日曜日)快晴
今日は大阪からk-planさんご一家が両子山へ登山されるとの事。お誘いをいただき、同行させていただくことにしました。
今年は土曜日も仕事の日が多く、なかなか秋を楽しむ余裕が得られず、少しばかりストレスがたまっていたのだが、このチャンスを目一杯楽しむ事にした。

安岐町梅園の里で団子汁定食をごちそうになり、さっそく両子山の紅葉を楽しみながら頂上を目指して出発した。

 無明橋/仁王像
今日は日曜日、いつもと違う人の多さに仁王も少しばかり喜んでいるように見える。

小さな子どもの手をひいて家族連れが石段を上る。その上を見上げると総合門の黒い柱のむこうに赤くもえる紅葉が見える。

いつもは暗く見える石段のむこうが明るく輝き、私たちを招く。

はやる心を押さえながらゆっくりと磨り減った石段をのぼる。

総合門の向こうの世界に大きく期待を高めながら・・。


総合門
黒く重々しい総合門が、あざやかな紅葉の景色をくっきりと切りとり、幻想的な作品にする。
深紅の葉を強い日差しが突き透してその赤をさらに鮮やかに輝かせ、やや緑を残した淡い緑を黄金色に眩しくみせる。
山モミジの赤や黄色や燈や緑が光のトンネルをつくり、そのトンネルの中に風にゆらぐ影が幻想的な世界をつくる。それを見上げたまま足が進むのをやめる。
私も、k-planさんも奥さんも娘さんも、上を見上げてその美しい世界を写し取ろうと戦う。
目に焼き付けて、さらにフィルムにCCDにと欲をかき立てる美しさがある。到底この光の世界を記録することが出来ないとわかっていても撮り続けてしまうほど美しい光があった。


石畳の落ち葉をなるべく踏まないように気を遣いながら、頭上の光のファンタジーを少しでも記録にとどめようと見上げながら、・・

k-planさんご一家がこの美しさを楽しんでいただいていることを願いながら、なるべくゆっくりと両子寺護摩堂下の石垣を飾るしだれモミジを目指す。ここのモミジは紅葉少し前の色が透き通る黄色となる。今日この日が最も美しい黄色であることを願いながら石畳に散ったモミジを避けて進む。

ふと気が付くと石畳が終わり最後数段の石段の上に黄金色のモミジが眩しく私たちの目に飛び込んできた。

石灯籠の向こうに鋭い光線が差し込み、石垣の上から下り来た枝の葉が眩しく黄金色の光をはじき返していた。


 両子寺
両子寺の境内へは拝観料200円を納めてパンフレットをいただく。これを片手に広大な境内を探検することになる。
今日の目的は写真の中央にそびえる両子山登頂である。k-planさんの奥さん(KFさん)の希望で今日の登山となったそうである。私は数回の登頂を経験し、その必要エネルギーを理解している。

やや不安を抱きながら海抜721mへ案内する事とする。
護摩堂には大聖不動明王が本尊として安置されている。

境内にも真っ赤に紅葉した葉の小さな山モミジが護摩堂や書院や客殿を飾り、私たちの目を楽しませてくれる。青く透き通る空に紅葉の赤や黄色や燈色が美しい。



  両子山登山
ここからは登山となる。
頂上へは二つのルートがある。一つは昔ながらの七不思議の針の耳や鬼の背割りといわれる奇岩をめぐり頂上を目指すコースで、山中をかなりの精神力と体力で駆けめぐる修行コース。もう一つは頂上に立てられてアンテナ工事のためにコンクリートで舗装されたコース。しかしながら、こいつも結構な急斜面の連続で、かなりの忍耐と体力を要求する。k-planさんご一家に完全登頂していただくコースはコンクリートコースを選択した。

途中リタイアしないようにゆったりとしたリズムで登り始めた。
山頂からはひやりとした冷たい風が吹き下ろしてくる。道路を埋めるモミジの落ち葉の上をゆっくりとゆっくりと足を頂上へとはこぶ。


途中何度か休憩を取りながら、木立の中に差し込む木漏れ日にかがやく紅葉や木々の葉の色を楽しみながら頂上を目指した。

ふとやぶの中に白い固まりを見つけてのぞき込むと、それは雪だった。数日前に平地に降った雨が、ここ両子では雪だった事を知った。空気は相当な冷たさであろうが、私たちには汗を冷してちょうどよい風に感じていた。




約1時間30分で無事登頂に成功しました。
頂上に到着した頃には少し気になっていた雲もどこかえ消え去り、国東半島が地図で見る様に丸いこと、千燈岳
あたりに地表から突き出た奇岩の多いこと、両子山を中心に谷が海へと広がり、その谷間に集落があることが手にとるように見えました。
少しばかり空気の透明度よくなかったんですが、楽しい登山でした。もちろん、はじめて両子山の頂上に立ったKFさんも大いに満足された様子でした。

昨日までの寒さが今日の日のために穏やかになった。気持ち良い空気の中で爽やかな汗をかいて楽しい記憶と多くの思い出を心にもカメラにも詰め込めただろう。
ふるさとの山もふるさとの木々もふるさとの海もそのすべてが一番美しいと感じて誇れる。
いつまでも変わらないふるさとの景色をまた見に来て欲しい。
今日見た色も空気も写真ではあらわせないと思うが、開いてみれば心にため込んだ記憶が今日の素晴らしい色も空気をみせてくれると思う。
また、来年もこの美しい両子を歩きましょう。