←top kodomo-onie-c 丸小野子供修正鬼会
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2010/02/14

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陽も落ちて、あたりが薄暗くなり始めた頃、子供達は鬼へと変身していく。

子供達は神妙な面持ちでカズラを巻かれ、気持ちも姿も鬼へと変身していく様に感じた。

大人達は、子供の顔色を気にしつつ、痛くない様に慎重に、優しく体中にカズラを巻き付けて行く。やがて、子供達の腕と胴と足はカズラによって鬼の体になって行った。

カズラを体に巻き始めてから30分程の時が流れて、巻き終えて鬼に変身した頃には、あたりは薄紫の淡い光の世界だった。

カメラの証明に照らされて、5人の鬼達が並んだ。


コオリトリ
鬼に変身した5人は、武蔵川の注連縄の張られた場所で、川の冷水で手を洗い身を清める。大人の修正鬼会は全身裸で身を清める禊ぎを行うが、子供修正鬼会では、子供達が風邪を引かぬ様手を洗うに止めている。

この場所は、昼間、集落の大人達によって枯れ草や石を取り除き、綺麗に掃除され、青竹に注連縄が張られた聖域とした場所である。

子供の鬼は、座元の家から一気に100m程を駆け下って冷たい水で手を洗いコオリトリ(垢離取り)を行った。私もカメラを担いで走るが、とても追いつけない。5人の鬼は元気が良い。


盃の儀
コオリトリを終えた5匹の鬼は、座元の座敷にワラジのまま上がり、正座して盃の儀に望む。

国東半島の寺で行われる修正鬼会で行われる盃の儀は、院主(僧侶)とタイイレシが結縁を成して恙無く修正鬼会が執り行われることを祈念する為とされ、タイイレから一人ずつ、給仕人の注ぐ盃を受け、院主の前に進み、院主より、油煎りした昆布を一切れ箸に挟んでタイイレに授かる。
これを白紙で受け、懐に仕舞い自席に戻る。昆布は白紙から取り出して一部を食し、残りを鉢巻きの前頭部へ納めてお守りとする。自席ですべての盃の儀が終了するまで平伏している。

子供鬼会では、タイイレと鬼が一体のものとされて盃の儀が同じように執り行われる。


いただいたパンフレットに盃の儀が次の様に紹介されている。

盃の儀の順序

 介杓人は三宝に盃を乗せて差央呂子前にでて供えて戻る。

 介杓人は三宝に銚子を乗せて差央呂の前に出て酒を注ぎ三宝に銚子を乗せて戻る。

 介杓人は三宝に盃を乗せて鬼の前に出て酒を注ぎ三宝に銚子を乗せて戻る。

 介杓人は鬼の前に出て三宝と盃持って戻る。

 鬼は、僧侶の前に出て額ずき昆布を戴き元の位置に戻り頭を畳につけて座る。