suc4-e06-otari 1   2013/6/2 信州小谷村 「塩の道を歩く」      

5月31日、我が家を9時半に出発し、大分空港10時35分発のJAL1784便に乗る。

東京羽田へ11時50分着陸。ここからの切符を1Fサービスカウンターで南小谷まで通しで購入する。新宿からは、JR特急のスーパーあずさで松本まで行き、ここから大糸線で南小谷までとなる。
羽田から京急で品川までが400円、品川から南小谷までの普通乗車券が5,250円、スーパーあずさの自由席特急券が2,310円、合計7,960円をカードで支払う。

品川から山手線で新宿へ向かう。結構な混雑に田舎者は息が詰まる。その上、周りにはきれいなおねえさん達が超近接なので、なおさら息が詰まる。

そんな緊張感を味わいながら新宿に着くと、乗る予定より1時間早いスーパーあずさに乗車できた。

時計を見れば、午後1時、空腹に気付く。車内販売が回って来たのは2時前だった。ワゴンの端に見えていたカツサンドとコーラを買う。合計730円。空きっ腹には超うまいカツサンドだった。

車窓の景色を眺めならゆったりとした電車の旅を味わう。少々眠くなってきた頃乗換駅の松本到着した。
大糸線のホームへ向かうと、信濃大町行きの電車がすでに停まっていた。

やがて、信濃大町を目指してガタガタと走り始める。車窓には残雪が美しい上高地の峰が涼しげに望めるが、車内は国東半島並みに暑い。

やがて、信濃大町へ到着した。ここで気付いたが、せっかく1本早いスーパーあずさに乗ったが、ここから先は予定の電車しかない。1時間以上日当たりの良い暑いホームで過ごすことになった。

17時45分、やっと南小谷に向かって2両編成の電車が走り出した。今までと車内の様子は一変して、賑やかな女子高生の笑い声が車内に響く。途中、木崎湖、青木湖のの湖畔の絶景を走り、白馬駅では、白馬岳の勇姿を見上げることが出来た。

車窓の景色を楽しみながら、18時41分定刻に終点の南小谷駅に到着した。

駅を出ると、姫川の軽やかな水音が響き渡っていた。
川向こうの遠くには残雪をいただく峰が見える。

程なく、迎えのワゴン車が到着した。それに乗って、今日の宿泊場所「サンテインおたり」までは3kmほど姫川沿いの千国街道(糸魚川街道 国道148号線)を北上する。 私一人を乗せてワゴン車は、「サンテインおたり」へ到着した。

時計は午後6時。チェックインをして、サンテイン小谷のレストランへ向かう。客は私一人。本場信州、山菜山盛りの天ぷらソバを注文する。値段は、1,100円。
出てきたソバは、期待通りで、荒削りな姿が見る目に何とも魅力的で、味も香りもすばらしいものだった。
ソバ打ちの技術がどんどん研ぎ澄まされて、細く長くの方向だが、ここのソバはやや太く不揃いで、長さもちょうど良い。おそらく演出だろうが、客の心をしっかり捕らえてくれる。山菜の天ぷらもうまい。特にコゴミがうまかった。

さて、腹もふくれた。残るは温泉。ほぼ貸し切り状態の広い湯船に浸かって腕をさすると、少しヌメッとする。ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉とある。

長旅の疲れも、うまいソバと温泉で癒やされた。

小谷村の概要を紹介しよう。

小谷村は長野県の北西に位置し、中央を姫川が流れている。

村の東部は、上信越高原国立公園で、雨飾山など頸城山塊にあたる標高2,000m前後の山が聳えている。
西部には中部山岳国立公園を含む、白馬連峰が聳え、標高2,500m前後の山が連なる。昔は、金鉱山の地蔵鉱山が存在したが、戦前までに掘り尽くされた。

村の中心部は、峡谷型の地形で、地すべり・崩壊が発生しやすく、過去に幾度も被害に見舞われている。

小谷村全面積の88%が森林。耕地は3%弱と少ない。残りは、川その他となっている。

人口は、1970年が5,893人、 2010年が3,225人と減少を続けている。

産業は、林業の他に、冬場のスキー客や登山客の観光収。

少し歩きながら、村人と話をしたが、生活に十分な収入を得られる産業が無く、過疎と高齢化が急速に進行しているとのこと。耕作放棄地の増加から、熊、猿、イノシシ等の被害が増え、ますます住みにくくなっていると話した。さらに、冬場の稼ぎ頭だったスキー場での仕事も、スキー客の減少で職場が減っていると嘆いていた。

広大な自然はうらやましいが、交通の便も、産業も、国東半島は、まだまだ恵まれていると感じた。