目次へ 秋の西日に追いかけられて
sub3-65   2005年10月16日        文字は、の等巾フォントでご覧ください。

最高の秋の日和に腰痛でごろごろとストレスばかりをため込んでいた。
気怠い昼寝からさめて、少しだけ外の空気を吸って見ようと出かけた。
時間はすでに午後4時を少し過ぎて、日は西に大きく傾いている。

さて、どこへ・・・そうそう、安岐町の馬渡に住む阿部君がお宮を修理するといっていたな、それでも見に行こう。
そう思いながら狭い山道を登っていく。
ゴトゴトと揺れる車から伝わる振動が腰が響いて来る。
しばらくすると谷間に刈り取られたばかりの水田に西日の影が差して切り株が美しい模様を見せている。

その向こうには蕎麦が淡い緑の花を一面に広げているのが見える。
車を止めたしばらくその様子を眺めた。
乾いた風が緩やかにながれて行く。
ふと見上げた櫨の枝には熟れたアケビが口を開いている。
腰が痛くなければ飛びついていただくのだが、今日はじっと見上げるだけにした。

西日はどんどん傾いていく。
谷間の狭い田んぼにはウマに掛けられた稲が美しい造形を見せている。
一時は石油乾燥機で乾燥されていた米だが、今は味優先でウマによる乾燥が復活した様だ。

どんどん西日が傾いて影を長く伸ばして光の色を赤くしていく。
気持ちいい秋の夕暮れを楽しんだ。
朝から出かけなかった事を悔しく思う。


お宮はどうなったかって?・・・今度の取材にします。