目次へ 国東町/小原 2001年10月 sub3-11

国東町小原・・我が青春のふるさとを訪ねた。
1964年春、先生松本信正に出会った。
日本語を話していることは確かだが、私にはその言葉を消化できなかった。
しかしながら、妙に私の神経を刺激した。
36年の時間を重ね、2001年秋
松本信正の不思議な魅力に触れたくなった。

天高く爽やかな秋風に猫じゃらしが揺れる国東町小原。
不思議な魅力が今も健在で有ることを願いながら、・・


玄関の引き戸を少し開けて、声をかける。

『こんにちは〜。』

しばらくすると、『はーい。』『どうぞ。』の声と共に先生松本信正が現れた。

先生は昼寝をしていたらしく、少し眠そうな目を笑顔で装いながら36年の時間を感じさせない松本信正の世界の扉を開いた。


比較的積極性に欠けていた私は、先生松本信正に自分から話しかけた記憶はなかった。先生松本信正との接点は週に2回程の国語の時間だった。理解できない授業だったが、気持ちは、しっかり彼の魅力に繋ぎ止められていた。

今日も、先生松本信正の独演で、あっという間に3時間が過ぎていた。36年の時間は先生松本信正を何一つ変えてはいなかった。


すっかり私をリフレッシュ処理し、暖かく見送っていただいた。

空はには高く漂う鱗雲が、沈む夕日を反射してオレンジ色に染まっていた。

小原/松本信正・・青春のふるさとを訪ねた。