目次へ ・・・ 真玉町/小河内 ・・・・
 2001/1/20  sub3-08

県道赤根真玉線を真玉川の源流に向かって上ると小河内地区にたどり着く。国道213号線、真玉町役場の手前から真玉温泉、無動寺方向へ9.2km。数年前にここを訪れた時は道路も未整備で、対向車との離合が大変だったが、今は殆ど2車線の舗装道路となっている。しかしながら、無動寺を過ぎた天念寺方向への分かれ道からは1車線の狭い道になる。

小河内地区には宝高山岩仲寺と山神社が隣り合わせに並ぶ。小河内地区の公民館前に車を止める場所があるが、常に数台が駐車しており、1台か2台の駐車が精一杯だろう。少し上って小河内ダムまで行けば道路の端に駐車しても迷惑のかからない程度の道幅となる。

私はダムの近くに車を止めて、山神社の階段を上り、さらにその裏へと続く小道を上った。しばらく歩くと民家の庭へと出た。しかしながら、そこは空き家だった。さらに道は山の傾斜をはい上がりながら続く。その上にも民家の庭が現れるが、すでに建物は朽ち果ている。上に続く道をたどると雑木林の中に石垣が連なる。昔は水田だったと思うが、今は耕作者を失い、椎茸の原木となるクヌギが植えられている。さらに上ろうとしたが、わき水をあつめて生活用水としているらしく、塩ビのパイプが溜めますから眼下の集落へと続いているのを見て、水を汚すことを懸念し、これ以上の探検をやめた。

集落へと下り、谷へ下り、真玉川の川向こうに越え、川向こうの水田から尻付山の麓に集まる集落と岩仲寺と山神社を眺めながらゆっくりと小河内地区のひんやりとした空気と大自然のパノラマを楽しんだ。20軒あまりの集落に見えるが、道路沿いの家並みの奥には10軒以上の宅地跡や廃屋が確認できる。

昔は結構賑やかな集落だったと感じるが、時代の流れはより便利な都会へと若者が流れ、年寄りだけが取り残された集落となった様だ。畑で働く老夫婦に声をかけた。見知らぬ通りすがりの私の質問にも手を休めて快く応えてくれた。

厳しい環境で今も雑木を燃料に、自給の米と野菜で生活を続けるこの村の先輩たちを応援したい。

 
村を守る山神宮・・小さな鳥居に大きなしめ縄
山神宮の本殿・・今もしっかりと守られている
岩仲寺の裏にそびえる岩肌荒々しい尻付山
山間の村は平地は米を作る。家は斜面に石垣で平地をつくって建てられている。
厳しい生活環境を嫌って田舎は過疎の一途をたどる・・止む得ぬ現象だろう
西日にかすむ棚田の風景・・
数日前に降った雪解け水が西日を反射していた
村人の執念が築いた斜面を登る石段石段の上には住人を失った家屋が・
雑木林の中からわら小積みの並ぶ棚田はとてもきれいな空間である
今は老人たちが助け合いながら暮らす静かで時間すら刻むのを忘れそうな・・