目次へ 六所神社−一望岩−高岩-前田 トレッキング周回コース
sub3-99 2012年3月3日 文字は、の等巾フォント(MSゴシック)でご覧ください。

距離5.5km、沿面距離6.05km、総時間5時間

久しぶりのお天気回復にじっとしておられず、出かける事にした。

上香々地前田と国見町西方寺を結ぶ、「高岩越」と呼ばれる山道がある。また、下坊中と西方寺を結ぶ、「後野越」と呼ばれる山道がある。「後野越」は、10年に一度行われる、天台宗の「峯入り」道でもある。どちらも、それぞれ、連なる岩尾根の間を越えてそれぞれの地域を結ぶ。車の無い時代は、地域を無ずぶ重要な道だったのだろう。
「高岩」と「一望岩」の間は、直線距離で0.95km、沿面距離で、1.19kmあり、その間を繋ぐルートは未知だった。この間は鋭い尾根で繋がっているのでは?と先日、国見の大日向隊長先頭に、研究会(探検会かな?)メンバー他で、ルート探しを決行し、見事鋭い尾根で繋がる事を確認した。

ならば、上香々地の前田から「高岩越」と呼ばれるコースと、「高岩」と「一望岩」をつなぐ尾根道と、それを六所権現を起点に周回するコースを地図上で明確にしよう・・と、探検を決起した。

繋がれば、上香々地下坊中の「六所宮」を起点に、峯入り道の「後野越の峠」、一望岩、「高岩越の峠」、「高岩」、「高岩越の峠」、「前田」、「六所宮」の周回トレッキングコースが設定できる。

天候晴れ、スギ花粉最高、気温丁度イイ。9時50分、六所宮前を出発した。
「後野越」の峠までは、寄り道をしないで国東半島トレッキングコースを真面目に歩く。何時もなら、百手祭りの場所を覗くのだが。


超マイペースで、後野越の峠に10時30分到着。一休みして、頭上の「一望岩」を目指さして急な登りに挑む。

峠から急な斜面を40mほど登って、左手に出れば、目の前に鷲巣岳が望める。そのポイントから山肌伝いに右に進み、急な岩肌を木々に掴まりながら登ると、目の前に大きな岩が座っている。これが「一望岩」。岩には、黄色いロープとにわか作りの梯子がかけられている。

早速、大岩によじ登って絶景を楽しむ。今日は、雨上り後の晴天のため、スギ花粉の飛遊が多く、景色は幾分黄色く霞んでいる。

大岩の天辺に腰を下ろして、これから向かう「高岩」とそこを繋ぐコースを確認する。私の足の先と、向かう「高岩」の間には、すぐ先の「ムラノ岩」とその先の高い岩瘤が見える。


一望岩から尾根に降りる壁
尾根に降りてから高岩を望む

「一望岩の」大岩を這い下って、「ムラノ岩」の方向へ向かう。「一望岩」から「ムラノ岩」へは、3m程の壁を下って痩せた尾根へ下りなければならない。前回の探検では、ここを上って来たが、今日は下る。持ってきたロープを出して、どう下げようか思案して見るが、なかなか妙案が決まらない。とりあえず、木に掴まってぶら下がって、また木に掴まり、ぶら下がって・・尾根に下りついた。
ロープを上に置いてきたので、再び這い上がって、もう一度壁を這い下りた。

ここから、小さな尾根瘤を越え、痩せ尾根を少し歩くと、松の木が生えた「ムラノ岩」がある。「ムラノ岩」は進行方向右側に回り込んで、木につかまりながらよじ登る。眺望はまあまあ。振り返れば、「一望岩」が見える。正面には、かなり高いピークと、その向こうに「高岩」が聳えている。

※ムラノ岩は、ムラノ氏が最初に登ったので「ムラノ岩」と命名した。ただし、鹿は、さらに先に登っていた様である。


よじのぼった場所から「ムラノ岩」の進行方向右に下り、ルートを辿る。ここから、少々雑木のブッシュをかき分けながら進む。次回を思い赤テープを巻いておいた。しばらく進むと、「ムラノ岩」から目前に見えた大岩への登りとなる。此処も、絶景ポイント。しばらく絶景を楽しむ。もちろん振り返れば、「一望岩」も「ムラノ岩」もその間の小さな瘤も見える。夷方向(進行方向左)の谷向こうには、屏風のような壁が連なっている。

このピークを下り、少し行くと、再びピークに出会う。ここも進行方向右手に回り込んで登ることができる。ここの上には、「カナシキ様」と地域の人が呼ぶ石の祠がある。祠の前には、船の形をした手水鉢が置かれている。何の神様を祀っているのだろうか?ここまでの無事を感謝し、残る行程の無事を願った。時間は、12時7分。

ここからも来た道を振る帰り、これから向かう「高岩」見上げる。
谷に鋭く切り立った岩壁


金敷様(農耕・牛馬の神様)


金敷様の祀られている岩瘤

この瘤を下ると、「高岩越」とよばれる山道の峠。ここを越えると、大きな岩があり、この岩の右へ回り込んで、やや左方向へ急な斜面を登る。大きな岩瘤の下は雨風を凌げるらしく、乾燥した砂にアリジゴクの巣が沢山あった。

急な斜面には、岩壁に張り付くように木々が根を張り巡らせている。この根や木の幹に助けられて斜面を這い登る。

ほぼ予測通りに岩のテラスに出た。ここが頂上と思いきや、さらに上に続く。

上を目指して、岩をよじのぼれば「高岩」登頂となる。頂上には、四等三角点と測量用の赤白に塗り分けられた棒が立っている。登頂時刻は、12時27分。
「一望岩」を振り返ると、景色はスギ花粉に黄色く霞んでいる。左手前の足元下に「金敷様が」見える。残念ながら、「一望岩」も「ムラノ岩」もスギ花粉に霞んではっきりと確認できない。手当たり次第にレンズを向けてシャッターを切っておく。

少し汗ばんだ体に谷から吹き上げてくる風が気持ち良い。途中のコンビニで買って来たアンパンと水で空腹を満たす。

しばらく眺望を楽しむ。急に、長野に住む小池さんを思い出した。さっそく電話してみる。元気な声が聞こえた。彼はマラソンが好きで、多くの大会に出場している。残念ながら、今度の東京マラソンは抽選で漏れたそうだ。京都マラソンには出るとの事。久しぶりに山の天辺から長野に住む旧友と話が出来た。



しばらくの休憩後、下る事にした。コースは、「高岩」から、来た道を「高岩越」の峠まで戻り、杉林の中を前田集落へ下る。しっかりした道跡があると思っていたが、見当たらない。仕方ないので、GPSナビの画面上にある、境界線沿いに下る事とした。

結構急な斜面で、その上に昨日まで降っていた雨のせいでぬかるんでいる。さらに、間伐材がそのまま転がっているので、結構な難路を下る事となった。右に左に、間伐材を避け、さらに、ずるずると滑るのを踏ん張るので、ひ弱な足が震えだす。しばらくこの状態が続いた。

結構な距離を下ると、おおよそ道らしき踏み跡が現れた。今度はここを歩くが、がれきと水であまり状態は改善されない。それでも、道の上を歩く安心感で、精神的な疲労は幾分改善される。

出来れば、高岩からの下りは、もう少し景色の良いルートを見つけたい。
だいぶ前田集落へ近づいたあたりの進行方向右手に石灯籠の一部が一本立っている。聞き及ぶ清厳寺跡であろう。時間は2時半を少し過ぎた頃。迷いなく登る事にした。

途中から続く石段伝いに見上げるが、石段は杉林の中へ吸い込まれるように消えている。途中何か所か崩れて、石段が途切れている。

ふうふう喘ぎながら、やがて岩壁の窟にもたれ掛る様に建つ清厳寺と思われる堂宇が現れた。お参りして、閉ざされていた扉を開くと、石造の不動明王が立っていた。その隣には、木札が置かれ、何やら墨文字が書かれている。写真を撮らせていただき、元の様に扉を閉ざした。

登り来た参道には、ビールの缶や酒の瓶ほかが転がっていた。これから想像するに、今もお参りや法要が行われているのだろう。

清厳寺跡への参道の始まり

長い石段が杉林の上へと続く

200m程で堂宇にのぼり着く

不動明王が祀られていた

この堂宇の右からの眺望が気になって、右手へ歩いてみた。予想通りに今来た方向が眺望できる。さらに欲を出して、斜面を登ってみた。少し上ると、堂宇の裏山の頂上に出た。ここから、さっき上った「高岩」が見えた。

ここから「高岩」を眺めていると、「高岩」から今立つ山の頂上に下るルートがあるような気がした。ひたすら地面を見つめて歩く杉林の中を下るより、楽しいコースになるが、・・・

少々疲れを感じてきた。不像明王に下山の挨拶をして、長い石段を下る。そうそう、登り半ばで背中のリュックを放り出していた。そのリュックと再開して、リュックのサイドポケットの水を乾いた喉に流し込む。

踏ん張りのきかない足でよたよたとよろけながら長い石段を下りきった。
さて、もう少しで麓の前田集落に下る。もうひと踏ん張りと気合を入れて歩く。リュックのカメラと役に立たなかったロープがやけに重い。


前田集落が見えたあたりの右手の藪の中に墓地が見えた。程なく、墓地の入り口付近に、地蔵様が転がっている。その横に、大きな石板が倒れている。想像するに、不動明王でも彫られているのかな?起こして見ようと手を掛けるが、びくともしない。

その場所へのぼって見れば、あまり見かけない珍し石塔が無造作に転がっていた。

前田集落に出ると、家の庭には梅が咲いている。その脇には、沢山のシイタケが天日に干されている。

最後の坂を下って、県道に出た。楽庭社の境内横では、集落の人たちがゲートボールを楽しんでいる。

それを横目に、隈井商店でペットボトルのコーラを買う。それを飲みながら少し歩くと、先ほど登った「高岩」が聳えているのが見えた。それから、清厳寺の裏山も見えている。それをカメラに収めて、歩きはじめると、道の向こうの林の中に人がいる。

道を渡って、その人に話しかけた。実は、ここらあたりに一体の仁王さんがあったと聞き、探してみたが見つからない。もしやと思い、その話をした。
結果は、川向こうに立っている不動明王像がここにあったとの事。どうやら仁王さんでは無かった様だ。

道路の拡幅工事の際に川向こうに移設して立てたと話してくれた。さらに、途中の墓の入り口で見た石板二ついて尋ねると、あれは、六地蔵が彫ってあるとの事。倒れたが起こせないのであのままになっているのだと教えていただいた。

お相手をしていただいたのは、前田の大力(だいりき)さん80歳。
さらに、この谷には石像文化財が多い事を教えていただいた。ぜひ今度その場所を含めて教えていただく様お願いした。

汗ばんだ体をスギ花粉たっぷりの風で冷やしながら、ぶらぶらと六所宮前に向かう。程なく六所宮前に到着した。時間は午後3時。出発してから5時間が過ぎていた。

泥だらけの靴を履きかえて、スギ花粉で黄色くなった服を払って、車に乗り込むと、フロントガラスはスギ花粉で真っ黄色になっていた。
ウインドウォッシャーでスギ花粉を洗い流して帰路に着いた。




GARMIN Montana 600 英語版
(デジカメの付いてないタイプ)

台湾製のGPSロガーを使っていたが、@移動軌跡の記録しか取れない。A感度が低く、森の中では使い物にならない。

そんな訳で、藪歩きでは、「高感度」で「今居る位置が分かる」と便利という事で、私の周りの皆さんが、GPSナビを購入した。私も仲間入りしようと半年程前から物色していた。

山の達人である、山岡氏は、アンテナが飛び出した山林作業用の超高感度機種を勧めた。リーズナブルな価格の機種を購入したYさんは、やや、感度不足で、天空に樹枝が茂る森の中では、衛星を捕まえられず、位置情報が得られない事があるとやや不満げ。

山林作業にも使えると謳う高感度機は魅力だが、やや大きいのと、値段が高い。・・・と言う事で、それら諸条件プラス老眼の私にも見易い事を加味して、ちょっと両面の大きい機種をチョイスした。
それが、「GARMIN Montana 600 英語版」。マイクロSD版の西日本登山地図付をつけた。

英語版の為、表示の文字がそのまま英語だが、日本語の取説が付いているので何とか使い方は理解できる。
(まだ出来てない。・・できるだろう?)ただし、英語が堪能でも、取説の説明は淡白で、日本の取説基準でみれば、相当なストレスを感じるだろう。
片端から操作して、その結果を頭に叩き込むしかない。
トライ&エラーって事ですね。まあ、ひとつひとつ分かる快感も味わえると思えば良い。この結果をしっかり記録していけば、自分だけの分かりやすい取説が完成します。・・ははは・・

私かつくると、クドクて読み飽きる取説になりそうです。・・作ってみましょう。

GARMINの市場は、自然豊かで、トレッキングや登山などのアウトドアスポーツが盛んなョーロッパやカナダ・アメリカであり、日本は極々小さな市場である事から、日本語化の意欲が湧かないのでしょうね。

機種によっては、日本語モデルがありますが、日本語仕様と言うだけで4万円程高額になってます。



数回の使用で感じたこと
は、

@欝蒼と茂った森の中でも、岩壁の間でも十分な感度と位置精度だった。今回のコース上で位置を見失った事は無かった。また、液晶画面も明るく見易い。

A位置精度は、すこぶる良い。自動販売機に立ち寄った程度の移動でも読み取れる程高精度な位置情報で記録している。

B電池は、17時間連続使用可と謳っているが、単三電池も使えるので電池の心配は無い。

Cやや、大きくて重い(ワンサイズ小さい「Oregon」でも良かった)

Dタッチパネルは便利だが、ポケットの中でタッチパネルが押される。「戻す」ボタンで戻せばいいが、何か良い対策を講じたい。表示のロックがあるが、今一使いこなせない。予期せぬ両面表示に驚く。冷静に戻せばよい。

E慣れてしまえば、トラックログをパソコン上の地図に転送する作業は簡単で、また、転送した情報で移動した距離計測や時間などの情報を確認できる便利機能が使えるが、これも教説がやや不親切。(詳細の説明は無い)

こうしてみれば、日本語モデルを買っても、液晶の表示が日本語だけであって、取説は英語版のレベルを超えてはいないだろうから、安い英語版を買って、自分で使いながら理解していくことが正解と思う。