目次へ 高岩から一望岩のルート開拓
sub3-96 2012年2月11日 文字は、の等巾フォント(MSゴシック)でご覧ください。

【国東半島エコツーリズム研究会 第3回】

2月11日(土)晴天

我が家を7時半に出発し、国東町のコンビニで昼食用にコッペパンとペットボトルの水を買う。
しばらく走っていると、今日の探検にお誘いした重三さんの車が後ろについた。前が私と気付いただろうか?

しばらくして、国見の道の駅へ到着。時間もあるのでちょっと一休みしようと右へウインカーをつけて駐車場へ入った。当然重三さんが着いてくると思いきや、そのまま通り過ぎた。気付いてなかった様だ。
少し休憩して、待ち合わせ場所の旧竹田津トンネルへ向かう。

素掘りの旧竹田津トンネルを抜け、左折して西方寺林道の入り口付近に車を停める。続いて村野さんが到着。先に向かった重三さんの姿が無い。

しばらく待っていると、西方寺林道から軽トラックで大日向隊長が下ってきた。隊長はイノシシ狩りの名人で、シシワナ掛けの朝仕事を済ませたそうだ。

程なく重三さんが現る。コンビニでカンコーヒーを買って来たとの事。残るは、薬屋の大将と国見ボランティアガイドの堀田さん。隊長が大将に電話を入れる。どうやらすぐ近くまで来ている様だ。1分もしないで堀田さんの軽トラックに同乗して薬屋の大将も到着した。

これで本日の探検隊6人全員が集合した。

重三さんが初参加なので、自己紹介し、いつものメンバーを私が紹介して出発とした。
大雑把にメンバーを紹介すると、二郷山遊会の会長である大日向さん(72歳)、薬屋の大将山本さん(じなしさん)、国見ボランティアガイドの堀田(ほりた)さん、山登り大好きの村野さん、世界最高峰登頂経験の持ち主である重三さん、国東の谷徘徊が趣味の高橋(青鬼君)の6人です。
隊長他の年齢は、おおよそ60歳から63歳あたりです・・よね?

旧竹田津トンネルから2km程上り、道脇の広場に車を停める。先ずは、全員で記念撮影。

さて、今日の探検コースを紹介しましょう。
ここから数分登ったところにある「高岩」海抜353mをスタートし、尾根伝いに山瘤を3つか4つ経由して、峯入りコースの後野越え近くにある「一望岩」に通じるコース開拓としました。

この探検の事前調査は、昨日、大日向隊長が行ってくれたとの事。そのとき、山瘤のひとつの天辺に石の祠を発見したと、その写真を見せていただいた。う〜ん、興味津々・期待深まる今日の探検である。それにしても大日向隊長の行動力は凄い!

9時10分頃スタート。杉林の中をまっすぐ登って行く。昨夜降ったのだろうか、日陰に雪が残っている。10分も歩いただろうか、尾根に登りつく。左手前方に「高岩」がそびえている。右手方向に続く尾根の先を眺めると、以前の研究会で訪れた「行者窟」が見える。しばらくここからの絶景を楽しむ。残念な事にカメラを忘れてきた。今日はこの目に景色を焼き付けるだけにしよう。

「高岩」へ向かう。隊長を先頭に目の前に聳える高岩へ登る。全員高岩への登頂に成功。万歳!
なるほど「高岩」、360度の眺望がすばらしい、太陽は「一望岩」方向にあるため、目指す方向の景色がやや見にくい。
隊長の撮影した写真と実景を見比べながら、「一望岩」や石の祠のある山瘤の位置を確認する。それにしても絶景!中山仙境からその向こうのハジカミ山や尻付山や鷲の巣が360度のパノラマで楽しめる。もちろん周防灘も青く美しい。

「一望岩」の絶壁を少し下り、尾根の左手斜面にへばりつく様に進み、そこから再び尾根に上がって次の山瘤を目指す。香々地の前田集落から峠を越えて西方寺の谷へ通じる「高岩越」の道がここらあたりを通っていたようで、国土地理院の地図に点線で示されている。(次の研究テーマにしたい)
その道と思しきあたりを越えると、尾根を遮るように尾根瘤が立ちふさがる。進行方向瘤の左側へ回り込んで木につかまりながら瘤の天辺によじ登る。天辺には、石の祠があり、その前に舟形の手水鉢があった。手水鉢には氷がはっていた。この祠は何の神様が祀らているのだろうか。峠道脇に通行の無事を見守る神様を祀ったのだろうか。それとも風神様か?

私たちも、探検が無事に成功するようお祈りして次の瘤を目指す。

枯れ木を折りながら険しい山肌と狭い尾根を進む。進行方向の右側は深く切り立った壁が谷底まで続く絶壁。常に、尾根の左にへばりついて進む。

程なく歩ける尾根にでる。短い尾根歩きの後、「一望岩」の少し手前で一度谷へ下るしかないと判断した。その地点で、少し右手方向の藪に尾根が続くのを見つけた。もしやと、寄り道を皆に告げてそこへ踏み込む。
尾根の右手は深く谷に突き刺さる壁。慎重にしばらく進むと目の前に3つ目の尾根瘤に突き当たる。私とここまで来た村野さんが、尾根瘤の左手から回り込むようによじ登るルートを見つけて天辺を目指す。私もその後に続いて天辺に上がった。

分岐で待っている探検隊メンバーに天辺からここへの寄り道に誘う。程なく残りの探検隊メンバーも天辺に集合した。

ここから後ろを振り返ると、「高岩」も祠のあった山瘤も一望できる。前方には目指す「一望岩」が直ぐそこに見える。

このまま「一望岩」へ行けそうだ。途中にリュックを置いてきたので、私一人リュックを取りに50m程戻る。
リュックを担いで戻ると、隊長と重三さんが藪をかき分けて少し下って行く。程なく、超痩せ尾根が現れ、その先に「一望岩」を乗せた尾根瘤が現れた。ここからの高低差は5mから6mほど、その上に3m弱の大きな石が載っている。

隊長は、3m程の垂直の岩壁に取り付いて、軽々と体を引き上げ、その上の藪の中を登っていく。続く重三さんも身軽に岩壁の石瘤に手を掛け、窪みに足を引き上げて、軽々と体を持ち上げて登って行った。さすが世界の山を経験した山男である。
さて、続いて堀田さん。自分の足が短いと言い訳をしながら尻込みしている。ここで引き返すわけにもいかないので何とかその気にさせて、皆で押し上げた。「なんだ、その気になれば登れるじゃない。」

一望岩と呼ばれる大石を頂く尾根瘤の天辺に到着した。早速海上保安庁?の堀田さんが取り付けた黄色いロープと、写真家の藤田晴一さんがだいぶ昔に取り付け、前日に隊長がステップを修理した一本梯子に助けられて一望岩に登った。

達成感と最高の絶景がご褒美だった。皆で記念撮影し、それぞれが持ってきた非常食を分け合い、スタートの「高岩」を眺めた。ここからの眺望が今日の一番だった。

時間は11時少し過ぎ。「高岩」が9時過ぎくらいだったから、2時間程のコースかな?距離は、山本さんの読みによればおおよそ600m。

高岩の周りにはコメジャカキが自生しており、まだ実が残っていた。それを皆さんに紹介し、味わっていただいた。田舎育ちの5人は懐かしい味、都会育ちの一人は、初めての味だった事でしょう。

今日のコースは、ここから後野越の峠へ降り、西方寺の谷へ下る。最近できた林道をぐるっと回って、駐車した「高岩」下へ戻る。

林道歩きも結構楽しい。ため池やその土手に祀られた水神様や人手で作った土手の丈夫さや、ミツマタや蕨やタラの芽の話に花を咲かせながら歩く。また、堀田さんの、土木工事の話も結構勉強になった。山を堀割って道路を付ける場合、その土の処理が大変事や、掘った土の量が3割ほど体積が増す事、また、工事で大きな石などが出てきた場合、計画変更処理で損はしない・・など等・・いい勉強をしながら歩きました。

峠あたりで、古い炭焼きの窯跡の上に杉の木が聳えていましたが、なんと真下は炭焼き窯の出入り口で空洞になっています。木は、炭焼き釜の入り口を跨ぐように根をおろして成長しているようです。自然の驚異。

やがて、駐車してある場所に到着しました。時間は1時少し前でした。お疲れ様でした。

これで本日の探検を無事終える事が出来ました。大日向隊長の事前調査のおかげと、重三さんの大胆な前進力のおかげと、天辺の神様のおかげと感謝いたします。
是非、中山仙境と高岩・一望岩をの周回コースを実現したいですね。次回は、これを実行してみましょう。

これで終われないのが私達。村野さんの提案で、竹田津トンネル上の山(海抜170.2m)を目指す事としました。伽藍のバス停に車を停めて、高圧鉄塔沿いに檜林の中をのぼります。
無事に4等三角点を確認しました。その他色々あり・・・・・・・楽しい一日でした。

それにしても、画像無しって寂しいですね。文字だけで今日の探検が伝わるかな?

そうそう、GPSで記録したルート地図は、同行した村野さんにいただきました。