目次へ 国見町竹田津港の風景
sub3-81   2008年05月17日        文字は、の等巾フォント(MSゴシック)でご覧ください。


気持ちいい5月の光と風に誘われてぶらっと歩きたくなった。
どこを歩こうかと思いながらいつもの213号線を海の景色を楽しみながら走る。
国東半島の天辺付近まで走って来た。場所は、国見町の竹田津。
ここからは、周防灘を縦断して山口県の徳山市を結ぶフェリーが出ている。

今日は、竹田津の港近くを歩いてみた。

港には、底引きのトロール漁業の漁船だろうか、大きな船が停泊していた。
さび付いた船体が過酷な海の仕事を想わせる。



さびたブイに腰掛けてそんな景色を眺めていたら大きな鳥が目の前を飛んでいた。5月のキラキラとした優しい光と気持ちいい風を楽しんでいるのだろうか。

大きな鳥は、水面上を大きく羽ばたきながら船の天辺に舞い降りて仁王立ちし、どうだと言わんばかりにカメラに視線を投げた。

周防灘から海を渡って吹く潮風が気持ちイイ。
私にも羽があればこの鳥のように海面すれすれを飛んで見たい。

海面を覗き込むと、キラキラと鱗を輝かせて小魚が泳いでいる。彼らも5月の優しい太陽の光を楽しんでいるのだろう。ゆらゆらと波に体を任せて遊んでいる。


徳山を結ぶ周防灘フェリーの発着場を覗いてみよう。
約3時間おきに9往復と、結構な便数である。
フェリーは、山口県の徳山と国見町の竹田津を2時間で結んでいる。

フェリーの発券場は24時間の営業で、フェリー待ちの待合室には結構な数のゲーム機が並んでいた。規模は小さいがお土産などを売る売店やうどんなどの軽食をいただけるカウンターもある。

うどんとそばは、アサリ入りで500円。そのたおにぎりなどが皿に入れられて300円だった。
ちょっといただいてみようと思ったのだが、道筋で買ったポンカンが腹の中にまだ居座っていたので諦めた。
のんびりと待合室内を探検していたら徳山からのフェリーが到着した。車が20台程と徒歩の客が15人ほど下りてきた。
観光客と思しき様子は無い。

フェリーを待っていた老夫婦に声をかけて、国東半島の観光かと聞いたら、阿蘇を観光して、昨夜が別府で、今日は、ここからフェリーで戻るとのこと。まだまだ国東半島の知名度は低い。国東半島の名所や仏教文化財の多いことなどをお話し、
是非次は国東半島へとお誘いした。 

このフェリーから多くの観光客が国東半島を目指してくれることを願う。


丁度昼時なので、食事処を紹介しましょう。

フェリーの待合い所の直ぐ前には、フェリーの昇降客を当てにした食事処がある。いけす料理と書かれた“お食事処久美”があり、メニューは、昼定食刺身付き1,000円とある。その他、ハモや車エビ、サザエ、アワビ等々、海の幸をいただけるようだ。

残念ながら、道路からのぞき見したが、奥まっているため、どのような店なのか覗き見ることが出来なかった。

ここから、国道へ出て150m程行くと“四季料理たけや”があるが、要予約となってしまい、ちょっと残念である。


国見町は、釣り人にとって期待出来る絶好のポイントが数多く存在する。
フェリー乗り場の裏手の海を覗くと、灯台に続く突堤に多く太公望が並んでいた。

昨年訪れたときには、フェリー乗り場の湾内でゼンゴ(小アジ)やタコを釣っていた。

今日は、投げ釣りでキスを狙っているようだ。
25cm程のキスが時折上がっていた。

私的には、メバルを釣りたいと思っていたが、そろそろメバルのシーズンは終わりのようだ。
来年こそは、自分で釣り上げたメバル釣りでメバルの煮魚を作りたい。


さて、今度は港の近くを歩いてみよう。新しく港へ続く道が出来るまでの旧道がある。
歩いてみると空き家が目立つ。

空き家を覗くと、蔓状の植物が家の中を占領していた。

空き家を過ぎて直ぐに小さな大師堂があった。
裏山の斜面を少しくり抜いた岩屋の中に小さな仏像が納められ、その岩屋を守るように御堂が建てられている。

御堂の裏山には竹田津神社屋があって、そこにのぼれば竹田津の港が一望できる。4月に来れば満開の桜を楽しむことが出来る。


気持ちイイ5月の光と風を思う存分楽しんだ散歩だった。

竹田津の港近くには多くの歴史的文化財やも処が多い。
多くの人に見て欲しいが、知名度が低いのが残念である。少しだけ、見所を紹介しよう。

「六郷満山ふれあい森林公園」・・ここには、旧千灯寺跡や五輪塔群がある。旧千燈寺跡には、石平板に半彫りされた仁王さんが残されている。
四季を通して、心癒される空間がを体験出来る。

五辻不動岩の天辺に上れば、周防灘に浮かぶ姫島やその向こうに山口県徳山市のをのぞむことが出来る。不動岩の五智の岩屋のほか、奥の院他、岩屋に安置される千手観音や三十三観音像などを見ることが出来る。
また、1,000基以上の五輪塔群等々・・

千燈寺から1km程にある小さな堂には、高さ70cm、幅1.6m、厚さ50cmの石板面に25菩薩来迎の図像を半肉彫りしたものがある。
千燈石仏と称し県指定の史跡である。正面の阿弥陀如来を中心に往生の行者を配し、その左は観音菩薩、勢至菩薩などが刻まれている。
周囲には25菩薩聖衆が壮厳に楽を奏でている様子が彫られている。かすかに彩色の跡が残り、鎌倉時代の作と云われている。
・・等々、数多くの文化財が残る地域である。