kebesu-c 櫛来社のケベス祭
白地 黒地
2009/10/14・15

10月14日(水)

ケベス祭りの当日。早めに昼食を済ませて出かける。もちろん、夜遅くなることは覚悟して、夜食のパンとお茶をリュックに入れた。

昨日トウバの人たちに、明日は2時ごろ来れば良いとお聞きしたが、少し早めに着こうと考えた。
途中、国東町あたりで空の様子が一変し、急に雨が降り出した。
さて、今日のケベス祭りに雨が降らねば良いがと思っていたが、雨。
しばらく走って、浜影を過ぎたあたりで雨は止んだ。熊毛を過ぎて、トンネルを抜けると迫状の古江集落の向うに青い海が見える。直ぐ右手に櫛来社がある。

古江の魚港が今日の駐車場と聞いていたので、櫛来社から200m程の場所へ車を置いて櫛来社前の松本氏宅へ向かう。

時間は1時ちょっと過ぎた頃。
昨日の面々が暖かく迎えてくれた。昨日撮影した画像の数枚をプリントしてお土産にお持ちした。たいへん喜んでいただいた。

さて、これからの行事はどのように進んで行くのだろうか?昨日は、学校に行っていた松本航君三兄弟も今日はケベス祭りに参加します。トウバの大人たちと同じ白装束に身を固めている。将来のケベス祭りを担う逞しい若いトウバである。

お父さんの雄姿が彼らの目にどううつるのかな?



少しの合間に話をしていると、ケベス役の国広崇紀氏は、氏の父親と息子さんの親子三代で参加するとの事をお聞きした。
早速記念に親子三代並んで写真を撮らせていただいた。
少々照れ気味だったが、無理矢理並んでいただき記念となるべく写真になればとシャッターを押した。
親子三代、ガッチリとした良い体格である。
これから行われるケベスとトウバの鬩ぎ合いが楽しみである。

しばらくすると、神小屋に前に神官他トウバの人たちが集まり、神主による神事が始まった。神小屋の最上段中央に置かれたジンドウサマの面に向かって祝詞をあげる。
それが終わると、トウバの人々は、それぞれ役割の緒道具を手に並び始める。
このころには、カメラを手にした見物人がその様子を撮影に訪れ始める。



ミヤノボセ

ミヤノボセが始まった。隊列の先頭は、オカヨ役である。小さな手桶に塩水が入れられ、本榊の枝で塩水を振り散らしながら隊列の歩く道を清める。それに続いて8人の旗持ちが続く。旗持ちは長老6人と小学生の松本兄弟である。その後を、二人に担がれた太鼓とそれを打つ太鼓叩きが続き、さらに、御供え桶、蒸籠、担い(ニナイ)穀櫃、宮司に抱えられたジンドウサマの面、神官、甘酒をかき混ぜる棒、トウバの人達と続く。

その様子は、実にのんびりとしており、時代が大きく昔に戻った様な錯覚に陥る。左脇に升に収まったジンドウサマを抱え、先端に御幣の様な飾りが付いた棒を肩に乗せて歩く神主の様子が実に良い感である。

神社の御供所までの道のり約3百メートルを行進する。松本氏宅を出発したミヤノボセの隊列は、神社の東の道を通り、県道213号線沿いの大鳥居から神社の境内へと上って行った。




神社のお供え所へ到着した隊列は、その諸道具や御供え物を御供所に運び入れる。

ここでアクシデントが発生した。太鼓を置く台や甘酒が取り残された様だ、いささか緊張が走る。8年に一度の行事では手落ちもある。数人のトウバが松本氏宅へと走る。やがて、軽トラックの荷台に載せられて甘酒の瓶などが到着した。アクシデントへの素早い対応は見事な組の団結力であろう。

運び込まれた御供えは御供え係りによって神前に供えられる。

トウバの人たちは少しだけ時間がとれる。ここで一服だが、記念写真を撮ることにした。拝殿前に全員集合して、一枚写真を撮った。皆いい顔である。


記念撮影を終えて、大世話人は、ここら2百メートル程西に有る本宮へ参拝に行く。そこへついて行った。

本宮は、古江を西に抜けるトンネルの海側(北側)斜面に位置する雑木林の中にあった。参道は古江集落の西側から続いていた様だが、今は、旧道に面して鉄製の鳥居が建てられ、鳥居を潜って下る様になっている。額束に本宮と書かれている。

鳥居を潜って少し下ると、雑木林の中に小さな石造りの本宮があった。

大世話人は、祠の周囲を綺麗に掃除し、古い注連縄を外し、新しい注連縄を締めて今日のケベス祭の無事の進行を祈った。