matama-b-05 真玉町の文化財
←Top 2012/09

十一面観音岩屋

上城ノ前交差点から應暦寺へ向かって100メートル程の左手の藪の中に十一面観音岩屋がある。

藪道を蜘蛛の巣を払いながら二十メートル程進むと一段高いところにほどほどの広さの境内があって、正面の岩壁が抉られた龕の内側に唐破風造りの石室があり、その中に石造十一面観音立像が安置されている。
石室手前には童子(比丘)が灯明台を肩に担ぎ、片手で支えて、片膝を立てて座っている。蕎麦屋の出前風とでも言える格好をしている。

唐破風造りの石室といい、灯明を担ぐ童子像と言い、福真磨崖仏の唐破風付石造覆屋を造った法橋安藤国恒作、あるいはその弟子の作ではなかろうか。

ここへの道は荒れていたが、境内と祭壇は綺麗に掃除されていた。信仰は続いているのだろう。



上城ノ前龕の石仏
道路の拡幅で大きく削られ、元々の龕にかわってコンクリートの龕に納められている。この左脇の壁に鳥居が埋め込まれるように立っているが、この鳥居の額もこの龕の端っこに納められている。額には、「天照大神宮」と刻まれている。

上城ノ前崖上の庚申塔
交差点から手すりの付いた急なコンクリートの上り坂を上り、少し藪を掻き分けて行くと庚申塔のある場所に着く。立派な庚申塔の廻りには更新祭りの為に造られた石碑が沢山転がっている。
寛政二年(1790年)庚戌四月の文字が読み取れる。