matama-a-02 真玉町の文化財
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墓地の如意輪観音墓石・六地蔵


この地区の古い墓地には、墓石を観音像(観世音菩薩)石像としたものを見かける。国東半島でもこの地域特有では無かろうか。
この墓石は、女性の戒名が書かれている。

古くから美しい如意輪観音墓石として、多くの写真愛好家の被写体となっている様だ。宝冠と唇に赤い彩色が見られる。

いつまでもこの場所で神秘的な微笑みを見せ続けて欲しい。

如意輪観音(にょいりんかんのん)観音菩薩の変化身(へんげしん)の一つ。

三昧耶形 (さんまやぎょう/さまやぎょう)は如意宝珠(にょいほうじゅ:宝の玉で意のままに様々な願いをかなえる宝)、紅蓮華(ぐれんか 紅蓮。火の形をした花弁を持つ架空の花の名前)。種子(種字)はキリーク。

像は、その殆どが坐像または半跏像。片膝を立てて座る六臂(ろっぴ:手が六本)の像あるいは、二臂(にひ:腕が二本)の像。六臂像は6本の手のうちの2本に尊名の由来である如意宝珠と法輪とを持っている。





墓地脇の庚申塔
墓道を少し下り行くと、落ち葉の中に石仏を納める石祠に水がたまっている。もしかしたら手洗鉢かも知れない。その左手に石段がある。石段を上ると、石灯籠が一つあり、石造物の一部と思われる石の欠片が転がっている。

その先に、正面金剛が浮き彫りされた庚申塔が大きな竹に持たれ掛けてある。下半分はその後の台石に立っている。

大方風雨に溶けて姿は今にも消えそうにしているが、石碑上部には陽と月が確認出来る。手は4本と思われる。日本は体の前で合掌し、他の二本は弓と剣を持っている。もしかしたら六臂かも?

ここにお堂があったのかも知れない。平らな地面の端っこには瓦が確認出来る。


  中黒土のお堂とその周辺

小さなお堂の名前は今度確認しよう。
春には、このお堂で「おせったい」がある。地域の人がお堂に集まって「おせったい」を出してくれる。

お堂には小さな石の仏様が沢山祀られている。さらに、お堂の廻りにも五輪塔や一石五輪塔、灯籠を担ぐ小僧さんや沢山の石造物が見られる。
この近くに点在していた物を集めたのだろうか?

さらに、お堂の前の道を左手に歩いていくと小さな石灯籠や五輪塔が見られる。祈りの場所だったのだろう。

その道を山に登ると、集落の墓地がある。この墓地にも珍しい石塔を見る事が出来る。

大日如来(智拳印)   弘法大師

弘法大師   

釈迦如来
(禅定印)

阿弥陀如来
(上品)

弘法大師



玉に腰掛けて灯籠を持ち上げる小僧(力士)

十一面観音(墓石と思われる)

灯籠と五輪塔(中央)

大乗妙典塔霊位

十一面観音(じゅういちめんかんのん)十一面観音菩薩。六観音のひとつでもある。本体の顔以外に10または11の顔を持つ菩薩。
三昧耶形は水瓶、開蓮華。種子(種字)はキャ、キリーク。

頭上の十一面のうち、前後左右の十面は菩薩修行の階位である十地を表す。最上部の仏面は仏果(仏道修行の結果として得られる、成仏(じょうぶつ)という結果。成仏の証果(しょうか))を表す。衆生の十一品類の無明煩悩を断ち、仏果を開かしめる功徳を表すとされる。

十一面観自在菩薩心密言念誦儀軌経では、十種類の現世での利益(十種勝利)と4種類の来世での果報(四種功徳)をもたらすとされる。

十種勝利とは
・離諸疾病(病気にかからない)
・一切如來攝受(一切の如来に受け入れられる)
・任運獲得金銀財寶諸穀麥等(金銀財宝や食物に不自由しない)
・一切怨敵不能沮壞(一切の怨敵から害を受けない)
・國王王子在於王宮先言慰問(国王や王子が王宮で慰労してくれる)
・不被毒藥蠱毒。寒熱等病皆不著身(毒薬や虫の毒に当たらず、悪寒や発熱等の病状がひどく出ない。)
・一切刀杖所不能害(一切の凶器によって害を受けない)
・水不能溺(溺死しない)
・火不能燒(焼死しない)
・不非命中夭(不慮の事故で死なない)

四種功コ
・臨命終時得見如來(臨終の際に如来とまみえる)
・不生於惡趣(悪趣、すなわち地獄・餓鬼・畜生に生まれ変わらない)
・不非命終(早死にしない)
・從此世界得生極樂國土(今生のあとに極楽浄土に生まれ変わる)



大乗妙典塔霊位
大乗妙典とは、法華経のこと。法華経の一字を一石に記して土中に埋めた供養塔等のこと。近世中期以降盛んとなった大乗妙典納経廻国修行の風とも結びつき、その発願成就記念に建てられることが多かった。

説明は、WEB情報より転記他