yama-kanegatouge 2014/03/06 金ヶ峠から焼尾公園まで天空を歩く


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豊後高田市と国東市の境界に金ヶ峠と呼ばれる峠ある。豊後高田市側は、六所宮上手の焼尾公園と溜池の間から国見町赤根に通じる狭い道路をのぼり詰めると金ヶ峠。
赤根側から見ると、赤根の奥の赤根温泉からのぼると金ヶ峠。

今日は、この道路の南側の尾根を道路に並行して歩こうと思う。

なぜ?実は、この尾根に石造仏が沢山有ったと聞いたから、それを自分の目で見たいと思った。昨日、見たという老人に案内していただき、かなり歩いたがその場所を特定できなかった。ならば、再TRY!

本当は、この話に乗りそうな方に声をかけたが、運悪く参加いただけなかった。よって、私ひとりの「ぼっち歩き」となった。

8時54分、金ヶ峠少し手前の広場に駐車して、歩き始める。急な勾配の道を避け、少し遠回りの右手から回り込んで尾根を目指す。

途中振り返ると、千灯岳、文殊山、小門山が一望出来た。絶景!もう少し天気が良ければ・・なんて贅沢な気を起こす。

尾根に続く道

尾根手前の境界標柱「香々地」の文字


尾根への取り付き道を少し進む。この取り付きは、急な斜面に人工的に刻まれた植林や管理のための道だろう。右手は深い谷。尾根のすぐ手前に香々地と刻まれたコンクリートの境界杭がある。そこをほんの少し上ると小高い石瘤があって、その瘤の懐に地蔵さんが祀ってある。昨日もここまで来た。ここからが尾根。瘤の天辺に上ると足が竦むほど、足下深くに谷が見える。

尾根には、枯れた松の木が多い。そう言えば、昨日案内してくれた安藤さんが、昔は鐘分峠と言い、大きな松の木に鐘がぶら下がっていたと言っていた。

国見は、松の木が多い地域で、刀匠紀新太夫行平もこの地の松炭で名刀を鍛えたと伝わる。

残念だが、外材によって持ち込まれた松食い虫や酸性雨で、国東半島の松は壊滅状態に近い。
そう言えば、誰かが、黒田官兵衛群が、この尾根を歩いて金ヶ峠を越したのでは・・・なんて事を言っていたが、もしやの期待も高まる。

いやいや、真の目的は、安藤老人の「沢山の石仏を見た」と言う話の検証である。見落とさないように、尾根とその周辺を確認しながら下ろう。

さらに、話の中には、寺跡もあるとの事。何が何でも確認したいと思う。この尾根筋に沢山の仏と寺跡が現れる事を期待して進もう。

この願いをお地蔵様に伝えて、尾根瘤を乗り越える。左右は、深い谷。

進み行く尾根には雑木が石を掴んで生きている。たくましい石掴みの根に自然の凄さを感じながら、それを跨いで進む。

386mのピークあたり お地蔵さんから270m北西。鋭い角を持つがれきが尾根を覆っている。

左手にハジカミ山東側の東狩り場あたりの岩山が木々の間から見え隠れする。夷谷温泉の東あたりだろうか。

少し下ると杉の林になった。杉が育つ土があるのだろう。

この先から道は二手に分かれていた。GPSを見る限り右だが、左の尾根筋が気になって、左の尾根を少し下る。150m程歩くと、先に進めない崖っぷちとなった。GPSで確認すると、田の口の上あたりと分かる。
また150m引き返し、右手の杉林の中央を歩いて下る。150m程下ると大きな石が積み重った場所に小さなトタン屋根の小屋があった。この杉林を管理するために建てた小屋だろう。使われている様子は無い。
大きな石を右に避けて、小屋前を下る。

小屋を過ぎて、すぐ視界が開けた。中山仙境の東狩場側が見えて来た。この景色をスマホで撮りフェイスブックに書き込んだ。「絶景!」

絶景を眺めていたら、目の前を鹿の群れが走り去って行く。慌ててカメラを構えたが間に合わなかった。

作業小屋

絶景!中山仙境東狩り場側


さて、ここから先は石の尾根道が続く。巨石で出来た馬の背に立って進むが如し。右も左も断崖絶壁。その上、今立つ背の先があるのか無いのか分からない。それさえ気にせず立って進んで行けば目の前には超の付く絶景が広がる。写真では伝わらないだろうなこのスリルと絶景。

自分の足でここを歩いてこそ味わえるスリルと超絶景をお楽しみください。あくまでも事故の無いようお気を付けください。

広がった超絶景

もう30歩あるくと、さらに絶景です。(もっと大きな画像を見たい場合は、画像をクリックしてください。)高岩や一望岩や行者窟が分かるかな?

この上から降りてきた。まだ尾根が続いている。
足下の岩先を這いつくばって下り、さらに45度ほどありそうな急斜面を立木に助けてもらいながら滑り降りて、神社上のクヌギ林上にでる。

ここまで来れば一安心だが、ここまで来るのが大変だった。大変だから画像が無い。カメラを構える余裕が無いので、背中のリュックに押し込んだ。ロープでも持ってくれば良かったが、こんな所を歩く羽目になるなど予想だにしなかった。無事に降りてこられた奇跡に感謝。

そうだ、安藤さんが見た石仏や寺の跡は何処だったんだろう?あちこち見落とさないように歩いてきたが見当たらなかった。もしかしたら逆方向だったのかも。

次の宿題にしよう。

やっと以前来た焼尾公園上の神社に着いた。されど、この神社跡らしきには鳥居が無い。

石殿や石祠が並んでおり、以前は建物があった様な雰囲気もある。比較的広い境内らしき場所の一段下の段には丸い手水鉢のようなものが転がっている。

ここを少し下り、左手の崖にでると、岩の上に石祠が中山仙境方向の谷を見下ろすように祀られている。風神様だろうか。

ここからの眺めもなかなか。しばらく祠の脇に立って絶景を眺める。眼下には夷谷温泉も、その上の展望台も見える。
目の前の中山仙境は、隠洞(かくれうと)あたりへ下る道筋が見えていると思うのだが、特定できない。たぶん、あのあたりだろう。もう少し長い玉(望遠系のレンズ)でも持っていれば・・と悔やむ。

散々絶景えを楽しんだ今日だった。されど、目的達せずに終わってしまう。

崖の上の石祠

左奥が夷谷温泉


中山仙境を望む

池の土手から上坊中眺望  梅も満開です。

満満と水を湛えた溜池

美しい模様を描く岩のコケ

さて、この道をのぼって金ヶ峠へ戻ります。

石垣が見えます。元は田んぼかな?

山神社の石祠・・歩かないと気づきません。

鬼ヶ城への案内板

ここから鬼ヶ城へのぼります。

鬼ヶ城の入り口あたりで雪がちらついてきました。
昨日、スタッドレスをノーマルタイヤに取り替えてと言うのに・・・
早まったかな?
そうそう、この上の金ヶ峠下に小さなトンネルがあったと、これも安藤さんにお聞きし、この後探してみたが見つかりませんでした。この件は、後日別の人にお聞きしたら、30年ほど前に埋めたとの事でした。残念でした。素掘りで、人が這って通るくらいのものだったそうです。この峠は結構な難所だったんでしょうね。

今日は、とてもすばらしい探検でした。目的からはズレてしまいましたが、なかなかの山遊びルートですよ。是非お試しください。・・・安全第一でね。