Top← 2005年11月 安岐町馬渡(manawatari)の神社修復の記録

2005年11月13日(日曜日)良いお天気の朝、修復の第一歩が始まった。

場所は、安岐町馬渡。
荒木川源流にある小さな集落である。南に下れば杵築市小狭間、東へ下れば安岐の谷へと通じる。ちょうど馬の背の様な場所に位置する集落である。

狭い谷間には14戸ほどが守ってきた小さな神社がある。
ながき時の風雨に耐えながら、村人の心の支えとして有り続けたやしろは、修復をくり返しながら今に至る。
参道の石段も数年前に修復されて、手すりもつけられ上りやすくなっている。

今年は、本殿前の拝殿の傷みが激しいことから、その修復となった。

土台は、風雪と虫によりぼろぼろに朽ち、重い屋根を支えるに限界となっている。
屋根瓦は、雨水を避ける能力を失っている。

そんな拝殿の屋根と土台を新しい材料に取り替える修復にとりかかった。

始まりの今日は、神社を守る氏子総出で朽ちた屋根瓦降ろしから始まった。




11月20日、今日もいい天気である。
神社改修の進行が気になって訪ねてみた。

曲がりくねった集落の道を歩いて神社へと向かう。
途中の畑には冬に備えて野菜が見事に育って青々としている。

神社の石段を上りながら見上げると新しい柱と梁が見えた。
壁も天井も床も、そのすべてが取り払われてまるで新築のような様子に驚いた。
話は、腐ったところを取り替える改築程度と聞いていたが、これを見る限りは新築。

ブルーシートで覆われた真っ白な檜がいい匂いを放っていた。

12月17日
予定では修復工事が終了している頃だと思って、完成の姿を写真に納めようと出かけてきた。

早速石段を上って境内へたどり着く。
拝殿はすっかりできあがったいたが、中で大工さんが最後の仕上げをしていた。

いい檜の香りが漂って気持が落ち着く。
しばらく真新しい板張りに腰を下ろして檜の香りを楽しんだ。

来週には掃除もされて完成となるのだろう。

12月29日
今日もいい天気で太陽の光が眩しい。

いつもは人の気配を感じない村も今日は正月の準備かあちこちで村人の姿を見かける。
会釈の挨拶を交わしながらゆっくりと神社への道を下る。

途中、空き家の壁に真っ赤な実がはじけて太陽とにらめっこしている。
この色をカメラに納めようと石垣にへばりついてシャッターを切った。

道草しながら神社の石段を上ると、神社は見事に修復が完成していた。


社総代の阿部さん、会計の工藤さんほか世話人の皆さんや地域の皆さんの力で見事に修復された拝殿。

また、しばらくはお祭り事の場としてその機能をはたしてくれる事だろう。

まっさらな板張りに寝っ転がっていると馬渡の谷に流れる風の音が聞こえてくる。
拝殿から本殿を見上げると、可愛い狛犬が一対おかれているのが見えた。