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5月15日(木)快晴
八幡浜の駅からフェリー乗り場まで歩
くことにした。
駅舎から大きなキャリーバックを引っ張
って出てきた私を客待ちのタクシーが目
敏く見つけて視線を送る。
それにわざと気が付かない振りをして、
その風景をカメラにおさめた。
汗をかかない程度にゆっくりと歩き始め
た。
フェリー乗り場までの道は迷うことの無
い一本道。昨夜地図で調べておいた。
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少々狭くて凹凸の激しい歩道を大きなキ
ャリーバックをガラガラと引きずりなが
ら歩く。
ふと足下を見るとすばらしいデザインの
タイルが目に入った。石鯛と特産のみか
んと船が見事にデザインされている。 |
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その向こうにガソリンスタンドの価格表
示が目に入った。
なんと、レギュラーガソリン1リットル
が169円。大分県でも160円を切っ
ているのに・・・
つい先月、家内と家内の姉と母を連れ
て家内の母の里を訪れた。その際、家内
の姉から子供の頃の話を聞いた。
時折の里帰り時は、フェリー乗り場から
当時の国鉄八幡浜駅まで歩いたそうだ。
姉より6つ年下の家内の記憶にはすでに
バスだったとか。
ふと、その話を思い出した。 |
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今日は、その逆の里帰りの戻り道を歩い
ている。
たぶん、里で貰った米や栗などを背中や
肩に担いでの道だったろうと思う。
大きな荷物を担いだ子供連れの夫婦がこ
の道を歩いた姿を想像しながらその後を
追う。
私が後をついて歩いていることなど、大
きな荷物の重さと船の時刻とで気づくこ
とは無いだろう。
道筋の景観は当時とは大きく変わってい
るのだろうか。新しい町並みの中に時折
古い民家や商店が残っている。これらの
建物は、大きな荷物を抱えて足早にフェ
リー乗り場へ向かう親子を見たに違いな
い。 |
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名物の一六(いちろく)タルトの店とジ
ャコ天(小魚のすり身を平らにのばして
油であげたもの)の店があった。
日本人初の飛行機を成功させた二宮中八
翁生誕の地を示す案内書きもあった。
もうすぐフェリー乗り場、大黒町商店街
を覗いて見たいが前を歩く親子が気にな
ってそのまま後をついて行く。
大黒商店街には興味を引く看板が沢山見
える。今度のチャンスを楽しみにしてお
こう。
30分ほど歩くと港へ到着した。
ゆっくり歩いたつもりだったが、良いお
天気のせいもあって、頭も脇の下も十分
汗ばんでしまった。
港の風で少し汗を乾かしながら風景を切
り取った。 |
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いつの間にか前を歩いていた親子の姿を
見失った。
腹ごしらえにどこかの食堂にでも寄った
のだろうか。
海風が気持ちイイ・・・
真っ青の空まで続くみかん畑の風景をし
ばらく見ていた。
そろそろ別府へ向かうフェリーが着く時
間だろう。 |
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