suc4-d05-sinbasi ・・ 2008/3/19 ・・ 新橋−浜松町 ・・・・

3月19日(水曜日)。出張の帰りにどこ
か寄り道しようと考え、久々の秋葉原とねら
いを決めた。東北新幹線を上野で降り、滑り
込んで来た京浜東北線に駆け込んだ。

時間は5時だったかな? 久しぶりの秋葉原
はどう変わっているだろうか、おでんの缶詰
を売る自動販売機や毎度カフェやパーツショ
ップが並ぶ電気街あたりをポイントに・・・
なんて考えているうちに秋葉原に到着した。
外を見ると曇り空のせいか薄暗い。これでは
撮影は無理かなと思い、電車を降りるのをた
めらった。秋葉原に降りることなく電車のド
アは閉まった。

神田、東京、有楽町を過ぎて新橋駅のホーム
に入って停車ポイント直前で急ブレーキ停車
した。急ブレーキといってもさほどのショッ
ク無く電車は停まった。やがて車内アナウン
スは、秋葉原駅で山手線が人身事故のための
安全確認停車を告げ、安全確認が出来るまで
運転を見合わせると報じた。しばらく座席に
腰掛けていたが、もしかして、チャンスと思
い電車を下りた。

新橋から浜松町まで歩いてみようと考えた。
雲行きは怪しいが、まだ雨はほとんど降って
はいない。

駅前のSL(蒸気機関車)広場が目印の新橋
駅。明治5年に日本で最初に開通した鉄道の
ターミナル駅である。新橋駅は、東日本旅客
鉄道(JR東日本)・東京地下鉄(東京メト
ロ)・都営地下鉄・ゆりかもめの駅である。


線路沿いに歩けば浜松町駅にたどり着くだ
ろうと、歩き始めた。
いつもは電車の車窓から眺める新橋駅前だが
今日はその景色の中を自分が歩いている。

少し小雨がぱらついてきたが傘がいる程では
無い。

目の前に西口通り商店街が見えてている。
賑やかそうな通りだが、少し線路から離れて
いくので、残念だが時間のある時のでも歩こ
う。
ただ今5時少し過ぎたところ。まだまだサラ
リーマンの帰宅時間には早いようで人通りは
少ない。

線路脇を歩くと、高架を支えているのは赤
い煉瓦に気づいた。その煉瓦の空間にすっぽ
りとはまるように屋台が収まっている。

今風の店名とディスプレーだが、その回りは
時代を錯覚させるような古びた赤煉瓦のアー
チが妙な風情を感じさせる。

もうじき会社帰りのサラリーマンで賑わうの
だろう。ビニール囲いの向こう側では忙しな
く客を迎える準備が進められていた。

それにしても、最新鋭の電車が行き交う鉄路
を支えていたのが赤煉瓦の橋脚とは驚きだっ
た。

突然線路沿いの道が行き止まりになって、
少し線路から離れていく。
まあ、方向はあまり違わないので道なりに歩
く。やや場末か並ぶ飲食店の活気が感じられ
ない。

そんな町をキョロキョロと観察しながら浜松
町駅を目指して歩く。少し雨が気になる量に
感じて折りたたみの傘を取り出して開いた。
私の頭の天辺が雨に敏感に出来ている。少し
の雨でもセンサーに直接当たりやすい野であ
る。

家並みが邪魔して線路が見えないが、まあ歩
行的に間違っては無いだろう。もし少々ずれ
ても時間は十分ある。

立派な日本料理屋さん、馬肉専門店など、
田舎ではお目にかかれない店も店先で雰囲気
だけ体験出来た。

少々目的地を見失いかけて不安もよぎったが
たかが一駅の筈と激励しつつ歩いているうち
に浜松町の文字をビルに見つけた。

どうやらそろそろ浜松町の駅に近いようだ。

おおよそ30分ほど歩いたかな。距離にすれ
ば2kmになるだろう。新橋から浜松町まで
の直線距離は1.5kmほどだから、少々ロ
スがあったとしても2kmも歩けば着くころ
だろう。そう思って、見上げると152mの
東京貿易センタービルが視界にはいった。

雨は結構な量になっていた。持参した傘の
お陰で濡れずにここまで歩くことが出来た。

文化放送側の階段を上ると、薄暮の中に都会
のはなやかな光の世界が広がっていた。
しばらくその風景を眺めた。

ちょっとしたアクシデントから今日の散歩と
なった。止まっていた電車は、私が新橋駅を
出て、2分と経たないうちに動き出した。ま
だSL広場に居るうちに走り出した電車の姿
を確認した。

短い時間の散歩であったが、思いつかねばこ
んなコースを歩くチャンスなど無い。このチ
ャンスをいかに自分でつくって楽しむか。
これからも機会あれば楽しみたい。