suc4-d04-kannawa ・・ 2008/1/12 ・・ 別府鉄輪温泉を歩く ・・・・




霧雨の降る鉄輪温泉街を歩いてみた。

いつも通る亀川から南立石へ抜ける道路から
見下ろす鉄輪温泉の湯煙。
いつかこの湯煙を写したいと思いながら通り
過ぎるだけだった。
今日は、その思いを実現しようと出かけてき
た。

鉄輪温泉は、湯量日本一を誇る別府八湯の一
つである。別府市街と明礬温泉との中間にあ
り、別府八湯の中で最も湯治場らしく感じら
れる庶民的な温泉街である。

別府温泉は10種の泉質を有する。地球上に
は全11種類の泉質があると云われている。
10種類とは、そのほとんどを別府温泉で楽
しめる事になる。
鬼山地獄の駐車場に車を置いて「みゆき坂」
「いでゆ坂」を下ることとした。

この界隈には地獄と呼ばれる温泉の泉源を観
せる観光施設が数多く点在する。

上から、鬼石坊主地獄、海地獄、山地獄、か
まど地獄、鬼山地獄、白池地獄、金竜地獄と
連なる。そのほかに、亀川地区に血の池地獄
と竜巻地獄がある。詳細は、別府地獄巡り公
式サイト
をご覧ください。

また、地域の人々のための共同浴場も多数あ
る。共同浴場は、むし湯、上人湯、渋の湯、
地獄原湯、すじ湯、熱の湯、谷の湯など。も
ちろん決められた料金を支払えば私たちのよ
うな観光客も利用可能。
一般観光客の私の勝手な印象や感想を述べ
ましょう。

私は大分県人ですが、別府温泉はもちろん知
っており、年に何度かは別府温泉に浸かる一
般的な県人と思っています。

別府には八つの地域に温泉があって別府八湯
と呼ばれ、その一つが鉄輪温泉であることは
承知していましたが、鉄輪温泉がこんなにす
ばらしい温泉街であることを知りませんでし
た。
歩いてみると、あちこちに泉源があり、温泉
の蒸気が吹き上げています。側溝にも湯が流
れ蒸気が上がっている風情は湯の町別府を象
徴しているようです。
昔から湯治客が貸間に泊まり込んで自炊を
しながら病気の治療や肩凝り腰痛の緩和を
目的としていた様だ。
今もその風習は残っているようで、湯治客
の為の旅館はもちろん、生活品や食料品を
売る小さな店が路地のあちこちに見かけら
れる。

ちょっと覗いて見たが、町中のスーパーマ
ーケットよりも生活に密着したものが並べ
られていた。

毎日、路地の共同浴場や旅館の温泉に浸か
って、この商店で食料を調達して、温泉噴
気の竈で調理したものを食べて湯治の生活
を楽しむのだろうか。

鉄輪温泉情報は、このサイトで→別府八湯 鉄輪温泉



綺麗ですね。「みゆき坂」も「いでゆ坂」
も石畳で舗装されてとても良い印象です。
さらに、坂の雰囲気がとても良いんです。
温泉で火照った体を冷ますのにこの坂をのん
びりと歩きたいですね。

美味しそうなラーメン屋さんや昔懐かしい食
堂なんかもあって、ちょっとのれんをくぐり
たい気分にさせてくれます。

温泉に浸かって浴衣を着てこの坂や路地を歩
きたいですね。

そうそう、この待ちの裏路地を歩くと猫の多
い事。湯治客や観光客に餌をもらって生きて
いるんでしょう。温泉の泉源近くにいれば温
泉の熱で暖かい。

鉄輪温泉は、湯治客にも野良猫にも気持ちい
い。
さらに路地へと入り込んで歩いているとイ
イにおいが昼時の腹を刺激する。ふと見れば
目の先に「豚まん」の看板がある。

そうそう、そう言えばこの界隈の奥方達が美
味しい「豚まん」を売り出したことをテレビ
が伝えていた。
早速「豚まん」を二ついただいてかぶりつい
た。
ニンニクの良くきいた豚肉あんが実に良い味
付けでうまい。寒さも手伝って最高の「豚ま
ん」に感じた。

「豚まん」一個160円を家内と二人であっ
という間に飲み込んだ。路地散策にはこんな
楽しみもあります。

山地獄駐車場下のかまど地獄前に鉄輪豚まん
を売っているが、テレビで紹介されたのはこ
っちの豚まん屋さんです。どっちも美味。
風情漂う路地から抜け出していでゆ通りへ
戻る。
ここには大衆演劇を楽しめる巷で有名な温泉
旅館の「ヤングセンター」がある。一日の入
湯料にお芝居付きで1200円と超格安で温
泉と芝居を楽しむことが出来る。
芝居開演前にゆったりと温泉を楽しんでから
芝居を楽しむ。

お芝居見物は、座布団(50円)を借りて良
い席を確保して楽しみましょう。
別府駅までの送迎もあるようです。

温泉も広くてなかなかの様です。
詳細は、ヤングセンターにお問い合わせくだ
さい。

私としては、もう少し年をとってからお世話
になろうと思います。
昔ながらの湯治場の温泉街はあちこちに懐
かしい風情が残っている。
本通りから始まる狭い路地を歩けば、そこは
時代に取り残されたかの様な懐かしい景色が
あって、のんびりとした時間の刻みが私の歩
きをとめそうになる。

湯気の向こうに少年時代に戻ったような景色
が見え隠れしている。
猫が振り向きながら私の前を歩いて懐かしい
風景の方へ案内して行く。

ふと、我に返ると湯煙の向こうにはひなびた
湯小屋があって、覗くと小さな湯船のお湯が
窓からの明かりを反射して鈍く光る水面とそ
の上を漂う湯気が見えた。

こんな温泉に浸かると気持ちいいだろうな。
小さな湯船の他にはコンクリートの磨き出し
の洗い場のみ。脱衣場も無ければ上がり湯の
水栓も無い素朴な湯小屋は地域の温泉だろう
かそれとも個人の温泉だろうか。

こんな小さな温泉の発見もまた楽しい。

鉄輪温泉をもっと多くの人に知ってもらい、
その魅力を楽しんでもらいたいと思う。