suc4-d03-dogo ・・ 2007/11/22 ・・ 松山道後温泉から小田の旅 ・・・・
関東で暮らしていた時分に何度か訪ねていただき、お
世話になった家内の伯父さんが松山の病院に入院してい
るというので、その様子をたずねに出かける事にした。

ついでに、松山といえば道後温泉が有名ということで、
道後温泉に一泊して来ようとくわだてた。

7時起床。我が家を出発する時間を決めようとネットか
ら四国へ渡るフェリーの時間を調べる。別府からが近く
て良いが、便数が少なく船賃も高い。少し車の移動距離
はあるが、国道197号線をフェリーでつなぐ国道フェ
リーとした。これなら、1時間におきに出発しているの
で、ずぼらな私にぴったりだ。

大分県の佐賀関と愛媛県の三崎間を1時間10分で結ん
でいる。



まあ、11時の便に乗れば12時に三崎港着。三崎港
で有名な海鮮丼でもいただくとすれば、8時半頃家を出
ればと家内に出発の時間だけを告げた。

私がパソコンの前でグズグズしている間に家内は洗濯を
済ませて出発の準備万端だった。

あわてて顔を洗って、それから着替えを済ませて、カメ
ラとパソコンをバッグに詰めた。

ほぼ予定通りに8時半頃?出発となった。

運転手は家内。助手駅で先日通販で買ったCDを聞く。
運転手の家内はフェリーの出発時間など全く知らないの
でマイペースで走る。お陰で自動車道走行では今まで最
高の22km/Litreを燃費ゲージが示している。



大分自動車道の宮河内で降りて国道197号線に乗り
佐賀関に9時50分に到着した。

急いで乗船手続きをして10時発の便に乗船となった。
予定より1時間早い。ラッキー?いや、三崎の海鮮丼は
どうなるかな?・・・

フェリーは平日のこの時間とあって車も人もが少ない。
トラックが4台ほどと乗用車が10台そこそこ。余計な
お世話だが採算が気になる。
こんな状況だから船室もガラガラ。私たちは椅子席を独
占する格好となった。

フェリーは揺れることもなく快適に三崎港へ向かって進
む。半島の尾根に並ぶ風力発電の風車を左手に見ながら
11時10分を少し過ぎて三崎港に到着した。

やはり海鮮丼をいただくには早い。仕方なく大洲へと
向かう事にした。ここからは私に運転を代わった。

すばらしい眺めが進行方向右側に広がる。時々車を停め
てその様子をカメラに納めたいが停車する場所がない。

あきらめきれずに停車場所を探しながら走っていたら道
の「駅伊方きらら館」が見えた。早速車を駐車場へ入れ
てすばらしい景観を楽しんだ。・・あまりのビューにカ
メラに納めるのを忘れてしまった。きらら館には魅力的
なお土産がたくさんあるが、今は往路なので帰りに買う
ことにする。
愛媛といえばみかんが有名。みかんを一袋買って早速い
ただいてみた。さすが愛媛のみかん。小さいが甘くて酸
っぱさも丁度良くうまい。


11時過ぎ、八幡浜のトンネルを抜けて八幡浜の街へ
到着した。町中を走ると「天ぷら」と「タルトの」看板
を多く見かける。天ぷらとは、魚のすり身を油で揚げた
もの。タルトは、薄いカステラ生地にあんこをのせて巻
いたロールケーキである。どっちもなかなかの人気。特
に天ぷらは、揚げたての熱々をつまむのが最高。

八幡浜市街から夜昼トンネルを抜けて松山自動車道へつ
ながる無料の関連道路へ乗る。すべてナビ様の言うとお
りに迷うことなく順調に松山へ向かって走っていく。

そうそう、そろそろ昼時。お昼は海鮮丼から四国名物の
うどんにしようと大洲で自動車道を降りることにした。
うどん屋を探して大洲の駅方向に走っていると「セルフ
うどん」の看板があった。夜昼トンネルの手前でも見か
けた看板だが、セルフの嫌いな私としては、フルサービ
スのうどん屋を探す。駅の少し手前で右側にうどん屋を
見つけた。行き過ぎたのでUターンしてそのうどん屋に
入った。

早速、私はかき揚げうどんを家内はかけうどんを注文し
た。
まもなく運ばれて来たうどんは湯気が立ち上ってとても
旨そうな匂いがしていた。「熱いのでお気をつけくださ
い。」そう言って、小さなお盆にのせられたうどんを置
いていった。

早速いただく。熱っ・・なるほど熱い。寒さと空きっ腹
を手軽に満たそうとしたが、この熱さが邪魔をする。
一本摘み上げてはフーフーと冷まして口に運ぶ。はやる
気持ちで3本ほど箸に引っかけてすすり込んだら舌が火
傷した。慌てて水で舌とうどんを冷やす。アッチッ・・
もしかして、おれって猫舌だったのかな?

汗だくになりながら熱いうどんと格闘して空きっ腹と寒
さの両方を満足させた。熱すぎる温度を除けば申し分な
いうどんだった。うどんをすべて口に運び終えた頃には
おつゆは丁度良い温度になっていた。

腹を満たして、大洲から松山自動車道へ乗る。途中、ト
ンネルの補修工事で片側交互通行の規制があり、10分
程停められたが、交通量も少なくすこぶる順調に走るこ
とが出来た。


やがて松山インターを過ぎて川内インターで降りる。
少し戻って横河原橋からほどなく病院へ到着した。

第二病棟へと階段を上って直に病室を見つけることが出
来た。

病室を覗くとベッドの上に座っていた。11月30日に
退院との事、よかった良かった。
少しの時間雑談を交えて伯父さんの話などを聞く。あま
り疲れさせないように気遣いたいが、本人は今まで溜ま
っていたものを吐き出すかのように次から次へと入院時
の事から今日までの出来事を私たちに話してくれる。

生死の境を彷徨った事、ある政党の党首が突然現れて支
持政党を変えるよう切望された事等々・・
伯父さんは町の町議を長年勤めた来た事から政治には強
い思いがあるのだろう。

まあ、元気に見えるし、先生も退院を許可したのだから
良かった良かった。退院まで風邪など引かぬよう、自宅
に戻っても気長にのんびりと自愛して再び病院に戻るこ
との無いようにして欲しい。

病院を後にしてフェリーから予約した道後温泉の旅館へ
向かう。
道後温泉には以前一度訪れたが、温泉街へは宿泊しなか
った。子供連れで温泉旅館へ停まるほどの余裕が無く、
確かビジネスホテルのツインへ泊まった様に記憶してい
るが、もしかしたら伯父さんの家へ泊めていただいたの
かもしれない。・・・遠い昔のこと。記憶も薄らいだ。


今日は、少しだけ奮発して2食付きの旅館を選んだ。
世間一般からすれば2流3流の旅館だが、ビジネスホテ
ルが当たり前の私にすれば結構な思い切りだった。

隣は、ヤクルトスワローズの優勝慰労旅行ご一行様の豪
華ホテル。正面玄関にはクリスマスツリーのイルミネー
ションが飾られ、シルクハットにタキシード姿のドアボ
ーイが二人も立つ。凄い!

旅館に車を預けて道後の町、松山の街を散策しようと出
かける。あの有名な道後温泉本館の前を通って道後湯之
町アーケード街を散策して松山電鉄道後温泉駅へ出た。

商店街は坊ちゃん一色。坊ちゃん団子にまどんな人形。
砥部焼の絵柄も坊ちゃんやまどんなが多い。






さて、せっかくここまで来たのだから路面電車に乗っ
ておこうと、停まっている電車に乗り込む。客は、お婆
さんが一人と私たちの3人。ワンマン電車の運転手は当
然1人の筈だが、見習いか新米か指導員らしき制服制帽
が横に立っている。・・大丈夫かな?

やがてレトロな雰囲気の路面電車はガタンゴトンと大き
く揺れながら走り出した。次々と駅に停まる度に社内の
乗客は増えてくる。そんな様子や街の様子を眺めている
内にガタンゴトンの路面電車は終点のデパート前に到着
した。
料金はどこまで乗っても後払いの150円。車内に一日
券の案内があった。帰りに気が変わっても良いように1
日券を買うことにした。1枚300円。この券が記念と
して残ることも魅力である。

終点のデパート前で降りて、デパートの中へ入ってみ
るがすぐに出た。
再び同じ電車に乗って元来た道後温泉駅へ戻ることにす
る。日もすっかり暮れて街のネオンが先ほどと違った風
情を見せている。

同じ道だが帰りも車窓の景色を楽しんだ。
坊ちゃんもマドンナと夕暮れの街を歩いたのだろうか。

道後温泉駅に到着した路面電車を降りるとアーケード
商店街入り口の広場に人だかりが出来ている。その様子
を見ようと私たちも人だかりに参加する。なんと、大き
なからくり時計が6時の時報を知らせている。
道後温泉本館を模したからくり時計が見事なパフォーマ
ンスをみせていた。

やがて、3階建てのからくり時計はゆっくりと縮んで行
った。・・なかなか見応えのあるからくり時計だった。

再びアーケードの道後湯之町商店街を歩いて道後温泉本
館前に戻ってきた。風情あるこの建物を記念に納めよう
とシャッターを切る。下手な鉄砲も数打ちゃ当たると何
枚もシャッターを押し続ける。一枚ぐらいはちゃんと写
っているだろう?




十分楽しんで旅館に戻り着いたのは日もすっかり暮れ
た6時20分だった。
夕食を7時にお願いしたのでもう少し時間がある。それ
では、道後の湯を楽しんでからと思い地下の大浴場へと
向かう。丁度団体さんの宴会の開始時間とあって貸しき
りであった。思いっきり手足を伸ばして、1人には広す
ぎる湯船の真ん中で道後の湯を満喫する。

少し道後の湯の感想を書くと、やや刺激を感じる強めの
湯かな?少し敏感肌の私の肌にピリピリとした刺激を感
じた。厚い皮の顔には平気でした。・・ははは・・・

首まで浸かって暖まっては洗い場に寝そべって冷やし、
また暖まっては冷やして・・・存分すぎるくらい道後の
湯を満喫した。


7時少し過ぎたかな?家内と食事処へ降りる。すでに
他の宿泊客が数組夕食をいただいていた。

食事処は、畳の上にテーブルと椅子を配置した洋風とも
和風とも言い難いしゃれた空間だった。良い感じの照明
と軽いジャスが流れている。
案内されたテーブルに着き懐石風の料理をいただく。
先付は酒のあてを意識してか、少し味が濃い。刺身は戻
り鰹とハマチ。戻り鰹はなかなかだったが、ハマチは新
鮮すぎて旨味が無かった。鯛の兜煮、豚の角煮デミグラ
スソース、それから鰯のつみれ鍋等々。デザートはワイ
ンゼリーだったかな?
味付けは、四国風とも言える砂糖のきいた甘辛味。好み
はあるが、ここの味として楽しめば良い。

気遣いの行き届いた仲居さんのお世話でおいしく頂きま
した。ごちそう様でした。

後は、今日の疲れを熟睡で飛ばしましょう。・・・・
そう思って布団に入ったが、暑くてなかなか眠りにつ
けない。
エアコンの設定温度を見ると25℃・・・20℃に下げ
てやっと寝付いた。

11月22日木曜日・・・
夢うつつの枕元で突然電話が鳴り響く。何事かと思って
電話を探すが、押しやったテーブルの向こう。テーブル
に這い蹲って受話器を取るとモーニングコール??
時計を見れば6時。お願いもしなければセットもした覚
えは無い。余計なサービスに何とも腹立たしい。朝食は
7時半にお願いしたので、それに間に合う様モーニング
コールのサービスか?・・・納得できず!

再度布団に潜り込むがとうとう眠れずに7時過ぎとなっ
た。顔を洗って昨日と同じ食事処へ行き朝食を頂く。
朝の寝覚めの悪さも手伝って、何とも味気ない朝食だっ
た。

寝不足でスッキリしないまま八*代ホテルを出る。さて
砥部でも覗こうか。砥部を覗いて景色のいい峠道を楽し
んで小田の道の駅へ寄って、大洲から八幡浜を経由して
三崎港としよう。





ナビを砥部の砥部焼伝統産業会館へセットする。途中
砥部焼観光センターへ立ち寄る。時間が早いとあって客
はまだ私たちだけ。店内では店員さんが忙しく商品の陳
列を行っている。

しばらくすると観光バスが入ってきた。大勢の元気良い
おばさん達が店内へとなだれ込んでくる。
化粧品の強い臭いが一瞬に店内に充満した。この臭いに
急いで退散した。臭いも化粧も格好も日本のおばさんは
たくましい。

砥部焼観光センターを逃げ出して砥部焼伝統産業会館へ
向かう。
ほどなく目的地へ到着した。入館料を払って展示館内部
へ入る。落ち着いた照明と空間に古い砥部焼と新しい作
品がすばらしいセンスで展示されている。


すばらしいセンスの展示だから落ち着いた良い雰囲気
を感じさせるのだろ。そんな砥部焼とディスプレイの妙
を拝見してなんだか自分のセンスも少し上がった様に錯
覚する。環境に影響を受けやすい私である。

館内は、砥部焼の作品を見せるだけではなく販売もして
いる。来年は子年。ネズミをモチーフにした作品が多く
見られた。私も可愛いネズミの正月飾りを一つ買った。
焼き物の価値を理解する知識の無い私の買い物だった。

1階の展示フロアーから階段を上って2階の展示フロア
ーへと上る。その階段の途中の窓から小さなお寺が見え
た。小さな窓に切り取られた小さなお寺のある景色がす
ばらしい絵に見えた。・・後で覗いてみようと思う。


2階では「窪寺敬三郎リ・アクション展」が開催され
ていた。同時に展示ホールでは砥部の代表的な窯元の作
品が並べられていた。これはどれも値札がついており、
その場で購入が出来る。家内は、友達へのお土産と自分
の記念に少しばかり買ったようだ。

2階への階段から見えた小さなお寺を覗いてみた。寺は
西願寺だった。狭い境内に1本ある木の葉が黄色く色づ
いてとても綺麗だった。

折角の砥部。少し歩いてみようと陶街道の道案内に沿っ
て歩く。結構寒い。どの窯元も作業場の入り口に作品を
並べて観光客が見物できるようにしてある。何軒かの窯
元の作品を覗かせていただいたが人の気配は無かった。


ちょと地元のスーパーへ立ち寄ってみた。地元の生活
を身近に感じる手近な場所である。スーパーの入り口で
はイイ匂いの煙が立ち上りウナギが焼かれている。さす
が四国。もしかして川でとれた地元産か?やけの豪勢な
食生活か、はたまた観光客相手なのかは分からないが、
平日だから地元消費だとしか思えない?

さて、スーパーにはいるとこの時期にしては結構野菜が
豊富ですね。それから、柿とみかんと・・・・

おもしろいものを発見しました。なんと、「カブス」?
見た感じは私のよく知る「かぼす」なんですが、???

隣には、愛媛特産の「柚子」が並べてありますが、「柚
子」の方が売れ行きが良いようです。







小田町へと通じる峠道はハゼの赤やヤマモミジの紅葉
や銀杏の黄色が美しく秋の色をみせている。すばらしい
秋の景色だが道幅は狭く曲がりくねって見通しが悪い。
景色は時折楽しむこととし、運転に専念する。峠道にか
かる前に道ばたの無人販売所でみかんを買う。峠の手前
にはたくさんの無人販売所が点在し、みかんや柿が置か
れている。どれも一袋が100円。みかんは1袋に20
個ほど入っている。小さいが甘くてお買い得。

379号線の上尾トンネルまでひたすら上る。上尾峠か
ら玉谷川沿いに下りが続く。上尾峠付近は紅葉の名所だ
がそれに気づく前に通り過ぎてしまった。

そろそろ昼時。「道の駅ひろた」に寄るが食事が出来る
様子は無い。あきらめて小田まで我慢することにした。

下り坂を省エネモードで快調に下り行く。途中綺麗な紅
葉が見えたので立ち寄ってみる。新田神社と鳥居に刻ん
であった。小さな集落の小さな神社だが綺麗に掃除され
て信仰の深さを感じる。ヤマモミジの紅葉がとても綺麗
だった。


1時40分「道の駅内子フレッシュパークからり」へ
到着した。早速駐車場横の「農家の母ちゃん手作りの店
あぐり亭」へ入る。メニューに「もち麦うどん」を見つ
けて注文する。出てきたうどんは、私をうどん嫌いから
解放した小田うどんだった。

小田うどんの特徴は、先ずは出汁。干し椎茸と大豆でと
る。なかなか珍しい出汁の材料である。麺は、純国産の
グルテンの少ないものだが、今日は、もち麦という、や
や粘り気のある麦だそうだ。

懐かしいにおいの汁をすすって、うどんをいただく。少
しだが一般的な腰とは違うもちもち感があるが、紛れも
ない小田うどんである。

小田うどんにはこんな思い出がある。私はうどん嫌いだ
った。ところが、結婚式当日の早朝に家内の家に出向い
たところ、朝食にうどんを出された。
朝食にうどん?うどんの嫌いな私としては、さて、ど
うしよう?と悩んだが、思い切って口にした。

ところが、このうどんが今まで頂いた事のあるうどんと
はまったく違っていた。箸にも掛からないほど柔らかく
腰のないもので、苦労して掬い上げて食べてみるとこれ
がうまかった。すきっ腹のせいもあったのかも知れない
が、うまかった。

これ以来一般的なうどんもいただける様になったし、椎
茸の香りも嫌では無くなった。
この時いただいたうどんは、愛媛県上受穴郡小田に住む
家内のおじさんが自宅で打った生のうどんを遠路持って
きたものだった。

それ以来、何度かいただく機会があったが、せいぜい年
に1回か2回。この頃は1年以上ご無沙汰だった様にと
思う。

懐かしい小田うどんを美味しくいただいた。腹をふくら
ませて道の駅の売店を物色する。今の季節はミカンと柿
と大根が占領している。やはり物の多い夏がいい。



道の駅を後に、大洲、八幡浜を経由して三崎港へと向
かう。八幡浜を少し過ぎたあたりにオレンジ色のローソ
ンがあった。気にはなったが、帰路に寄って見ようと思
っていた。早速オレンジ色のローソンの駐車場へ入る。

店の中を歩いて普通のローソンとの違いを調べる。日ご
ろローソンに行かない私には全くその違いが分らない。

家内いわく、ローソンプラスといって、野菜、生鮮食品
惣菜が沢山置いてあったり通路が広く歩きやすいのだそ
うだ。
子供や年寄りやおじさんに気配りしたローソンって事で
すね。・・納得!

ここからまた運転を家内にかわる。再び、贅沢な絶景を
楽しむ事に専念する。




しばらく走って「道の駅瀬戸農業公園」へ立ち寄る。
帰りのフェリーで食べようとジャコせんべいを買い、近
くに住む親戚へ小さな一六タルト(いちろくたると)な
どの四国名物を少しばかり買った。
ここから、半島の南北が一望できる。すばらしいビュー
スポットである。もちろん、私の住む国東半島もきれい
に見えている。

程なく三崎港に到着した。時間は丁度3時半。目の前に
出港したばかりの国道フェリーが白波を残して出て行く
ところだった。次は1時間先の4時半。1時間の時間が
ある。それではと、車を停めて乗船場前の売店で上げた
てジャコ天を一枚ずつ買ってかぶりつく。ウマイ!
こうやって頂くのが一番うまい。1枚のジャコ天はアッ
と言う間にすきっ腹へ消えた。

少し陽の傾きかけた港の景色が美しい。そんな贅沢な
景色を楽しみながら港を歩いていたらゼンゴ釣りをして
いる人を見つけた。
近づいてみるとバケツには沢山のゼンゴやカワハギが釣
れていた。サビキ仕掛けでコマセカゴに冷凍オキアミを
入れて放り込むとゼンゴが群がって擬餌針に引っ掛かる
わけだ。
一度に1匹か2匹のゼンゴが入れ食いであがってくる。
楽しそうだ。見ている私たちに気づいた釣り人の一人が
「持って行け」と声をかけてくれた。ありがたいが、別
府へ戻るのでとお断りした。
バケツでもあれば頂きたかったのだが。・・残念!

陽はさらに傾いて、雲間に隠れた太陽が神秘的な光線を
海へ放っている。



そんな港を楽しんでいる内にフェリーの出発時刻とな
った。前車に続いてフェリーへと乗り込んで行く。

帰りも椅子席を確保した。昨日の往路よりは幾分車も人
も多い。
三崎港を出港したフェリーは快適に進んでいたが、陽が
落ち始めると風が出てきたのか、白い波が船首にぶつか
っ揺れる。その度に潮が船窓を洗う。

落ちはじめた太陽は赤く西の空をそめて美しく輝いてい
る。

17時20分に佐賀関港に着岸した。
日の落ちた国道197号線で大分自動車道宮河内へ向か
って走る。宮河内から大分自動車道を走り速水インター
で大分空港道路へと乗り換えて自宅へと急ぐ。




         自宅着6時50分。

伯父さんにも会えた。道後の温泉にも浸かった。
懐かしい小田うどんも食べた。きれいな紅葉も楽
しんだ。坊ちゃんの暮らした松山も路面電車で見
た。

      ・・いい旅行だった。