国指定特別史跡
臼杵磨崖仏(木原石仏)
指定年月日 昭和二七年三月二九日
所 在 地 臼杵市大字深田字木原九六五−二
二基の仁王像は、凝灰岩製で、膝から下を地中に没
しているため、全体像を正確に知り得ないが、いずれ
も一辺1m、厚さ20cmの台石に立てられている。
像高は、阿形像(開口像)が2.4m、吽形像(閉口
像)が2.2mをはかる。阿形像は、左掌を開いて胸
にあて、右掌は腰にあてている。吽形像は、左掌を開
いて腰にあてているが、右手は、手首から欠損してい る。その付根には、胸部にもみられるような径10cm
ほどの穴が開けられている。阿形・吽形像とも鼻の一
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部が欠損しているが、病気回復に対する信仰によって
削られたといわれている。二基とも腰を外側に強くひ
ねり、その大仰な身振りが顔の表情と溶合い、一種独
特なおかしさを醸し出している。昭和四十七年、周辺
の発掘調査によって、この二基の仁王像は、鎌倉時代
後期に比定されている瓦を含んだ整地層中に据えられ
ていることが明らかにされた。このことによって、仁
王像は、鎌倉時代後期以降、室町時代前期頃までの間
に造立されたと推定される。
臼杵市教育委員会 |
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