suc2z1g ・・・・          ・ 宇佐市麻生  高野堂の仁王石像

2006/05/06
宇佐から耶馬渓へ向かって県道44号線を走
る。
宇佐市西本町交差点から約9kmほどで下麻
生の麻生小学校入り口の三叉路に到着する。
ここからは道幅が3mほどの曲がりくねった
道路となり注意が必要です。結構軽トラック
が走ってきます。

ここに入り込んで、1kmほど走ると左手に
高野堂が見つけれれるはずです。
駐車場はありませんので、高野堂の30m程
手前にある道幅の少し広い場所を見つけて車
を停めました。

そこから歩いて高野堂を目指します。
高野堂への道は、伊呂波川に架かる小さな石
橋から始まります。
石橋の手前には主を失った民家があり、その
前には「高野堂」の大交北部バスバス停があ
ります。
伊呂波川の源流に架かる小さな石橋を渡って
高野堂に向かうと仁王さんの姿が見えました。
石橋は、院内の至るところで見られる様な本
格的なアーチ構造ですが4mほどの川幅に架
かる小規模なものです。
・・
高野堂の信者の寄贈と刻んでありました。
橋の下は岩盤の露出した河川床で、清流がか
ろやかな音をたてて流れています。
ホタルの名所でもあるそうです。

さて、橋の上から高野堂の山道を見ると美し
いツツジを背にした仁王さんが一体見えまし
た。
早速近づいてみると背の丈1.2m〜1.3
mほどの仁王さんに会うことができました。
その造形と顔はやや平坦な面に深く彫り込ん
だ線の特徴が飯牟礼神社の仁王に似ています。



仁王の間を鬱そうと茂る緑のトンネルが上の
高野堂へと続いています。
早速上ってみました。

さほど広くない境内に小さなお堂が再建され
ていました。
お堂の左手に朽ちかけた鐘楼がブルーシート
を掛けられてやっとたっている様が痛々しく
感じられました。

直ぐ近くでさえずるウグイスの声を聞きなが
ら静かな空間で汗を冷やしました。



高野堂
国指定名勝耶馬渓
宇佐市大字麻生字井ノ加倉五二五七番地ほか

奇岩群がそびえて独特な風景をなすこの一帯
は、仙岩山とともに国指定名勝耶馬渓に含ま
れています。
山麓の本堂には観世音菩薩が安置され、向か
って左側の岩壁を登ると中ほどの岩陰に弘法
大師の石像がまつられています。

「麻生村禅源寺年代記」には、江戸時代中頃
の一七一二年に弘法大師の石像が安置されて
から大師信仰が大流行し、八〜十二キロメー
トルも離れた村々からも人々が参詣するよう
になり、猪ノ鹿倉に菓子屋三七軒、東川ノ内
フタギノ川原に十三軒店が出て、菓子や酒を
売る繁盛ぶりであったことなどが記されてい
ます。
・・
また、一七二五年二月には黄檗宗の僧泰雲が
施主となって碧巌山高野堂を建立し、禅源寺
の末寺となりました。その後一時衰退しまし
たが、江戸時代後期の一七八五年に再興する
と、以前にも増す参詣客で賑わうようになり
ました。その後も盛衰をくり返しながら、高
野堂は昭和初期まで宇佐の名所として人気を
集めました。
この度、地元有志の協力により、弘法大師像
の奉納や境内の整備などを行い、自然と歴史
に恵まれた霊験あらたかな高野堂を再興する
ことにしました。多くの皆さんの参拝をお願
いいたします。


平成十六年四月二十日
宇佐の文化財を守る会