高野堂
国指定名勝耶馬渓
宇佐市大字麻生字井ノ加倉五二五七番地ほか
奇岩群がそびえて独特な風景をなすこの一帯
は、仙岩山とともに国指定名勝耶馬渓に含ま
れています。
山麓の本堂には観世音菩薩が安置され、向か
って左側の岩壁を登ると中ほどの岩陰に弘法
大師の石像がまつられています。
「麻生村禅源寺年代記」には、江戸時代中頃
の一七一二年に弘法大師の石像が安置されて
から大師信仰が大流行し、八〜十二キロメー
トルも離れた村々からも人々が参詣するよう
になり、猪ノ鹿倉に菓子屋三七軒、東川ノ内
フタギノ川原に十三軒店が出て、菓子や酒を
売る繁盛ぶりであったことなどが記されてい
ます。 |
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また、一七二五年二月には黄檗宗の僧泰雲が
施主となって碧巌山高野堂を建立し、禅源寺
の末寺となりました。その後一時衰退しまし
たが、江戸時代後期の一七八五年に再興する
と、以前にも増す参詣客で賑わうようになり
ました。その後も盛衰をくり返しながら、高
野堂は昭和初期まで宇佐の名所として人気を
集めました。
この度、地元有志の協力により、弘法大師像
の奉納や境内の整備などを行い、自然と歴史
に恵まれた霊験あらたかな高野堂を再興する
ことにしました。多くの皆さんの参拝をお願
いいたします。
平成十六年四月二十日
宇佐の文化財を守る会 |
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