suc2a1e.htm ・・・・・ 安岐町両子/両子寺の仁王石像


東国東郡安岐町浜から安岐−豊後高田線を高田方面へ向かい、両子川沿いに両子山を目指す。
途中、瑠璃光寺や三浦梅園旧宅を経由して両子寺までは19kmほど、約30分でたどり着く。

安岐町浜・・大分空港から約1km大分空港道路終点から旧道へ入り、約400m。
2003年6月28日・・朝から雨模様。
うっとうしい家の中にじっとしていられず、カメラを担いで飛び出した。
県道55号線を両子山方向にのぼる。途中バケツをひっくり返した様な雨となって、時折大き
な水たまりに飛び込んで水しぶきがフロントウインドウを覆い隠す。その水しぶきに前方の視
界を一瞬奪われてブレーキを踏む。これをくり返しながら、両子寺に着く頃にはちょうど良い
雨になっていた。

無明橋の手前から大きな杉越しに見る総合門と仁王が私のお気に入り。それも、今日のように
雨でしっとりと濡れた様が良い。暗く沈んだ荘厳な世界を乱す雑念や欲望を無明橋の欄干の朱
色が払いのける。総合門の銅屋根と無明橋の石畳が鈍い鉛色に光を反射して、不思議な光のバ
ランスをみせていた。
朱色の無明橋から総合門を望むとその中ほどに勇壮な仁王が睨みを効かせて、すべての雑念を
捨て去る事を要求する。
無明橋を渡って高い石段を上るたびに仁王はその迫力を増して私を睨み続ける。無明橋の赤が
モノトーンの世界を強烈に引き締める。
・・
両子寺仁王
・・・教育委員会説明書き転記

時代 江戸時代後期
石像仁王は全国に分布しているもの
の、その数は大分県が圧倒的に多く
中でも国東半島には130を越える
仁王が確認されている。
寺域や仏像、神社の守護を目的とし
て造られた仁王は、鎌倉時代から造
られ始め、安土桃山時代に最盛期を
迎える。しかし、江戸時代の後半に
なると仁王は村全体、個人の信仰の
対象として造立、奉納される事が多
くなる。
両子寺の仁王は大型で容相もいかめ
しく、天衣や裳表現にもすぐれてい
る。
阿形像左手に持つ金剛杵は肩上に構
え、右手は腰の位置で挙にする。
吽形像右手は肩下掌を前に開き、左手は腰の位置で挙にする。両像とも腹をやや突き出し、
胸骨や筋肉の表現には力強さが感じられ、国東半島を代表する仁王像である。
銘はなく、寺の伝えによると文化11年(1814年)の作といわれ、像高245cm(阿形
)、像高230cm(吽形)石材は角閃安山岩である。