sub8ti95



見取りうそ



ぴたりと動かなくなる

たいがい

むこう側が崖か

峠のてっぺんかだ


「やったか」

あとをつけたものは

この世にある「おわり」立ち会わされる

見取りうそのせすじが

まっきり

目にはいるときだ



見取りうそは 小さいが すばしこさはひけをとらない

特に 跳びのできるうそとしては一級である それだけ

このうそのねらいをはぐらすのはたいていでない

むささびのようにとぶと言われている


えものを失うと 何がおきてもうごかない

見取りうそがやられるのもこのときだ


かねてこのときのために

見取りうその敵は待ちうけている

ここでは

うそのにがしたえものと えものを逃がしたうそとが餌食になる

ひとつは谷底で捕られひとつは崖の突っ鼻で捕えられる


たかであるより わしであるときが多いが ときに はやぶさも待っている