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めくらへび



あか茶色の縞で ふつうのへびよりずっと短い めくらではなく 夜行性で

太陽の光をきらう


山の斜面 畑の斜面に かに穴ににた穴を掘って ふだんはそのなかにいる


食用蛙を捕りに 夜間 池をまわると このへびの泳ぐのにあう 光のなか

でみると「まむし」にどこかにているが ながさが短いときは「めくらへび」

だからあぶなくはない


自分で穴を掘るのは おし除ける程度でたいしたことはないが 猫が鼠を襲

うように まちうけて捕るから 油断はならない


おもに「かえる」を捕るが ときに野鼠 もぐらを捕る


野鼠の場合は はやいところ外へ走り出ればたすかるが もぐらはかえると

ころを失くしているので 別に穴をつくらねばならぬ


「めくらへびにおじず」は 野鼠にあてはまる諺 もぐらにはやっかいもの

である


夜のうごきははやく 水藻の下で小魚を襲う頭から噛んで へびと魚が水面

をはねるのはかえるの場合とちがった光景になる 波と闇と静寂とが ひっ

そり生きものを葬る にぶくて深い音がある