sub8ti89



尾食いがに



犬小屋を石垣の端や 池のふちにつくっておくと きまってこのかににねら

われる


昼は土の下に穴を掘ってはいり 日が沈むと出てくる おや爪にこげ茶と乳

白色のまだら模様がある


平べったくて わりと大きい石 それも土地より一段と低いところにすわっ

たのをおこすと このかにを見ることができる


昼の間は ねむったもぐらでもっつくよう にどちらにころがしても抵抗せ

ず うらがえしたときだけ起き上がる


犬は つねに このかにに尾をねらわれる

夜間

けたたましく吠える犬小屋の近くには かならずいる

吠えても

人が近づいても 小屋の近くのものかげにいて逃げない

犬の吠えつかれるのをみて またぞろ接近をはじめる


犬も 夜はこのかににてむかうこわさをしっているのでてむかわないが昼に

なるとかに穴をさがして掘りにかかる

犬のなかには このかにを食うのがいる