sub8ti88



うすれえび



日がかげる瞬間が勝負どき

岩 海藻と砂地のさかいに網をたて 雲の出を待ちうける


うすれえびは 表面は白さえびと同じ甲をつけているが その内壁にえび茶

の模様があり独特のコンストラストをみせる


青空の下では えびの姿が目につくが さっとかげると「おやっ」と思うほ

ど目をくらます いまいた場所が岩と藻にかわって にげたなと思うほどだ

なれたひとなら りんかくで ぬけたような模様を識別できるが 漁師以外

にはのぞめない


この一呼吸の間に

えびは

あしなが蜂が巣をとび散るように

居たところをはなれる

花火型ともとれる美しさである

ごみのように

透明な繊維の網にからめとられるのだが 網にかかった姿が絵になるえびで

ある

光に反応するえびである

それも太陽光線だけである