sub8ti86



板がに



珍しい木目がこうらにある

あしが小さく

うごきが鈍い


板ぎれがうごくように

群れて

はっていくが

うごくものにあうと あしを縮めて伏している


板がにはきれいずきで

腐ったものには手をつけない

若葉

若葉をあさっている


板がにの移動は たいがい水の流れにたよる

ささ舟か

藻屑のように

からんだり 離れたりして浮いていく


五月なかばからはじまる板がにの流れは 猫やなぎの深緑と

ぬるんだ水の香をのせていく


せりのいい季節である