sub8ti62



         とびがに



じっさいには跳ばない

跳ぶといいなあ

というかにである


たかいところがすきで

最近では非常階段をつたってのぼったのがある


丘の上あたりを住みかにし

石のうえをこのむ

白さぎ

とんびにねらわれ

あえなくもっていかれるのが多い


カメラをかまえて待っていると

カサコソ音をたてながらあらわれ

そのへんの

いちばんたかい石に

なんぎをしてはいあがる

「おきものがに」ともいわれ

もの音がすると

あしを曲げて伏す

追いたてて動かないのは のぼれてもおりられないからで

竹の先でつつくと

ジリジリと位置をかえ

やがて転落して逃げていく


生きるためよりも

食べられるためにあるようなかにをみていると

跳んだらいいなあという気がする


それにしても

てっぺんの石にあがるのだから

たいしたものかもしれない