sub8ti47
電線鼠 |
送電の鉄塔にも ろと状の金具をつけ 虫の電線に 近かぬそちをほどこしている 暗夜 ひそかにくさむらを出たねずみが いくども 地表から金具までを行き来し 電線までののぼり口を探すのをみると 相手がねずみとはいえ かわいそうになる ねずみは さしてひとの利益にはならぬが 目と 指とは くらべもののないやさしさがある 人物のよしあしを 目や指やで判断するにんげんからは うらやましく ねたましい電線ねずみのみなりである 電柱から電柱までを 忍者のように 行き来した電線鼠 企業が そがいするのは 住民だけではなかった |