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       夕月えび




絵にかいたようなながめのえび

車えびと大正えびの一クラス上物とおもえばいい

二つの触覚をならすと

少しずつ・・・・・・

そんな

伊勢えびじみたうごきではない

夕月えびのしなやかさが目をひくのは

うすい縞のあるからだを

さよりのように

水中にのばして

ひれを

トウシューズで出てきたバレリーナのようにこ

きざみに うごかすときだ

夕月えびを見ると

家族に吉事があると漁師はいう

どちらかというと

凶事を言う漁師のことわざの中で

夕月えびは特異だが

それよりも

天気や漁にかかわりないのが珍しい

行きより

帰りに多くであうためかもしれない

えびのなかでは

深いところにいる

それだけ

移動距離も多いが他からの襲来も多い

珍品 貴重

いまは あるいは絶えているかもしれない

五十年も前は

岩場でみかけることのあったえびだ