sub8ti34
プラチナえび |
このえびをつかまえるのには テレビアンテナがつかわれる さびていないアンテナでないとつかえない 水のとびきりきれいな川口で 底に小砂利のところが丘のようにあり そのどちら側かが土まじりの砂であることがのぞましい プラチナえびは ふだん ある種のかにのほった穴に住む 釣ってもつれず 網にかからないのはそのためで きわめて警戒心がつよく わずかの気配で穴にもぐる ただ 五月雨のつづくつゆどきと 台風や洪水で濁水をかぶったあと 木ぎれや流木にあがってくるときがある その頃 新しいアンテナをなげこんでおくと そこらじゅうのプラチナェビは みなアンテナに来てとまる 白く 透明にひかるところから 誰しも プラチナと見まごうかがやきに目をみはる 魚のなかまというより 宝石のなかまである |