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        プラチナえび




このえびをつかまえるのには テレビアンテナがつかわれる

さびていないアンテナでないとつかえない

水のとびきりきれいな川口で

底に小砂利のところが丘のようにあり

そのどちら側かが土まじりの砂であることがのぞましい

プラチナえびは

ふだん

ある種のかにのほった穴に住む

釣ってもつれず

網にかからないのはそのためで

きわめて警戒心がつよく

わずかの気配で穴にもぐる

ただ

五月雨のつづくつゆどきと

台風や洪水で濁水をかぶったあと

木ぎれや流木にあがってくるときがある

その頃

新しいアンテナをなげこんでおくと

そこらじゅうのプラチナェビは

みなアンテナに来てとまる

白く 透明にひかるところから

誰しも

プラチナと見まごうかがやきに目をみはる

魚のなかまというより

宝石のなかまである