sub8ti30



           塀鼠




忍者のヒントになった鼠

瓦の上を走るのがはやい

尾をややまげるようにして走る

バランスは尾でとっているから 尾に石を投げると落ちる

忍者がめつぶしを投げるのは

相手の攻撃をさける以上に この鼠のよわさをのがれたい

という心理的なものがつよい

火事のとき

まつ先に塀を走るところがら

「お屋敷鼠」という言い方もある

お屋敷から走り出た鼠といういみだが くい意地がつよく

食べものがなくなると

土塀の土をかみくだくくせがある

土塀に石灰を入れ 白色にしたのは ひとつにはこの鼠の

害を防ぐ意味もある

門構えの天井に巣をつくり

のぞき窓あたりに出てくるところから

武家屋敷では これをとることを禁じた

自宅の警護にひとやくかっている とみられた鼠である