sub8ti29



      のぞきえび




淡水魚

夜は

青白いルビー状のひかりを出す

関節が光帯になっており

落水に群がるが

昼間は

水草の下に住む


流れで揺れるたびに

茎に掴ったえびがみえる

下から見上げているというより

のぞいているようにみえ

いたずらぼうずが

いやしぼうをしているような顔をする

人かげが近づくと

くちた葉が波紋で流れるようにおちていく

苦心の芸をやっているつもりで

用意された網にいれられる

のぞきに来て

いんびにとらえられるえび

はねる力をもちながら

つかわずじまいに生きていく

夜だけ

川中に出

あとはよどみに近く集っている