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       手々振り鼠 




野鼠

黄色の縞がある

菜の花鼠ともいう

リスなどのように古い木の株の穴に住む



ドスンドスン

と音のするのは

この鼠、だ

走るのもはやいが

なにかと

落ちる習性がある

かなりのたかさは

おちて気にしない

おちるよりもすごいのは

すべりおり方のうまさだ

みきを抱くように四肢をひろげ

いっきに地上めがけてすべりおりる

地上で

ピッと四肢をひろげ

一回転して立ちあがる

手々振り鼠が手をふるのは一回転するときだ

このときは

たしかに

あたりの何かに目をつけている

誇らしいような

うれしいような

あかるい目もとが印象にうかぶ

手々振り鼠のほそいつめを

白いなあと

そう思うときだ