sub8ti22



         おちばすずめ




めじろににて緑がかった雀

めじろが山麓から山中へと移るのにくらべ

おちばすずめは田畑の近くを離れない


夏場は

ときわ草のやぶと梢のあいだをとび

秋から 春にかけて

立木のある南斜面にいる


葉がおちるころは

おち葉についてとび

葉のない冬から春さきにかけては

おち葉のように羽をひろげて落下する


鳥刺しで刺すのはこの時期で

大きい幹のかげから

わりと曲がりの少ないものにとりもちをつけ


おちてくるすずめの下でまちうける

すがたのわりに声がひどく

とりもちにかかったときの叫びはいたちににてものすごい


ひなたに腰をおろし

目のまえを

さも自慢そうにひろげた羽で落ちてくる姿をみている方が

よほどたのしめるとりである


おちばすすめが枯れ葉いろだったらという人もあるが

それでは あまりさびしすぎるというひともある