sub8ti13



           岩へび




だえきで安全岩をとかすへびが岩へび

これは昔からいたが

ここ四百年ばかりは報告がない


岩にしめなわを張って ご神体というのを 迷信とだけいうのはあ

やまりで このへびの出現を封じこめる願いからのしきたりである


けっして大きいへびではないが 岩のさけめ岩のきれめを知ってい

て そこに穴をあけて住んでいる

暑さ 寒さに弱いところから 自衛の手段ともいえるが 巨岩のな

かに巣づくったへびがとぎれ とぎれに出てきたのでは いささか

気味わるい


冬ごもりの小動物を食物にして冬眠ができるところから 経済的だ

が 山嶽仏教にとっては 近いつきあいで 巳年はかねがたまるな

どいうのも この餌が 労せずにはいってくるところに負うている


肉食を断っために山にこもって 逆に岩へぴをとったことはまちが

いないのだが 記録がない以上論証はできぬ ただ木魚の発想には

岩をたたいてヘビを追いだしたとみる見方が 一部に根強くのこっ

ている