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             水はさみ



満ち潮と干き潮の潮ざかい しばらく潮のうごきのとまるとき くるぶしぐ

らいの深さのところに浮いてくる


水はさみが とくに目につくのは なんともきれいなうす青の まるいおや

爪 それを波がしらに押しあげて さかんに潮をはさむときだ


しけや ささくれだっ風の日は姿をみせない 凪にかぎったかにである


ないで浅ければ なみにゆれても小石原がよくみえる うごきのとまる波う

ちぎわ 波の割れる少し沖 ここは季節の小魚の餌をする場所


あるときはふぐがいっぱいに群れて砂を堀るし あるときはてのひらがれい

の集合場所でもある あさりの稚貝 ごかいのこの住みかでもある


そんなのが 皆 底をあさりにくるとき水はさみだけが 浮いてあそぶ


夕凪ぎをたのしむつもりか

陸の夕飼をのぞくか 小さなかには無心にみえる