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犬 |
総理大臣が息を引きとるというのに ぼくは飯をつぎかえている 邸宅のまわりには腕章たちがつめかけ きおった医師たちが えりぬきの看護婦を従えてのりこんでくる 実況をみやりながら ぼくは二杯目の大盛りに箸をたてる 秀才 神童 異例の出世 当選○○回 実力者 △×通 きっての敏腕 選挙の神様 まとめていえば 僕という男の はるかな 対極点にあるお方に死が迫って 世界をあげて心痛しているときに ぼくはといえば せまい台所のすみにこしかけて キャベツのみそ汁をひたしてめしを食っている |