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       村



ひとりずつ去り

ひとりずつ死に

手を握ってわらった老人もいまはいない


ひとりずつ去り

ひとりずつ死に

麦の穂の中を家族のことを思って勤めに出る

自分もいずれ死ぬ


子を育てた田の蛙

子と並んで座った電車


いずれあれたちのそばには別のものが座る

見慣れた家 屋敷に陽が当たって

違った顔が

出はいりし

茶碗に盛ったものを食べていく