「し」考
                             松本第二子
 

 シ この題は「シコウ」ですが、シコウというと、すぐに頭にうかぶのは、

花札のシコウ。叔父のいいカモにされていました。ああいうものはフトコロ

グアイのいい時にやるものです。サイフの中味が乏しいと顔まで青ざめてく

るし、負けるに決まっています。なにごともゆとりが大切なんです。


 シ ひと昔ならぬひと月程前、シシシグッドバイブレイションという歌が

はやりました。アップテンポで好きな歌でした。今年の夏はまさにジリジリ

して昼下がりは肌荒れに痛いです。そういえば「シシザのあなたと一緒に」

という歌も大好きでしたが、「プレイバックプレイバック」という、つっぱ

った歌の方がハヤルということはやはり正攻法というのは、なかなかむづか

しい?のでしょうか。


 シ 高3の英語の時間、「処女号とは言ってもドウテイ号とはいわない」

と先生が説明し、大半の人間が笑ったのに、私は「どうして高村光太郎のド

ウテイがおかしいのだろう」とふしぎに思いました。私のこと「カマゴジラ」

と言った浜野君元気?


 シ この詩集のまえがきを書くように言われたけど、私は全然読んでいな

いので、「私考」になりました。しかし同人誌をみて名前がなくても父の詩

はわかるのです。まさしく「松本家のタタリ」なんでしょう。おトンちゃん

の詩は自転車通勤から生まれるのでしょう。自動車だと「れんげ畑」の、あ

のすばらしい香りや、どこまでも続く秋の青空はわからないでしょう。自転

車バンザイ。


 シ 楽に死ねる薬があれば死にたいと良く思っていた。しかし、「もっと

食いてえなあ。もっと生きてえなあ。今日もいい天気だ」といい残して死ん

だ人のことを考えると、ただただ生きていればいいのですよ。


 シ 世の中どうして、シケンとかシアイとかして順番をつけてがるのでし

ょう。そのために、どれだけ寿命を縮めていることか。シアイなどしなくて

も、ただ走れば、泳げれば、飛べればいいじゃないですか。我が師とする

サンテクジュベリ氏も、そうおっしゃっていました。


 シ 「自動車」高い授業料を払って毎日叱られて・・・。どうしてインス

タントコーヒーがあるのにインスタント紅茶がないのだろうと思っていたら、

ついにできたではありませんか。この文明の発達した世の中。はやくボタン

ひとつで動く車を発明してください。クルマヤさんがんばって。