馬城山伝乗寺/真木大堂    

sub7g34   2002年4月


こんもりとした新緑の森とれんげ草がしげる緑の田んぼを赤い土塀が
一直線に分ける。今日は雨。土塀の色を一際鮮やかにみせ、力強い造
形をいっそう強調する。
境内は大堂のみが残り、九体の仏像はコンクリートの建物に安置され、
拝観料200円で公開されている。
真木大堂の古は、六郷満山六十五
カ寺のうち最大の寺院で本山本寺
として栄えた。馬城山伝乗寺とい
い、奈良時代養老年間に仁聞菩薩
の開基で飛弾の匠が建立したと伝
えられるが、仏像の作風からみて
平安時代の建立で往時は広大な境
内のなかに七堂伽藍を備えて隆盛
を誇った大寺院であった。当時の
伽藍は火災のために焼失し、江戸
時代に再建された大堂のみが伝え
られる。
また、現存する九体の仏像(国指 

・・ 定重要文化財)は藤原様式による
優れた出来ばえを示し、
古来多くの人々の信仰と守護のも
とに今日に至っている。堂内には
慈悲相に溢れた、本尊阿弥陀如来
を中心に、日本一の大きさを誇る
大威徳明王、不動明王が安置され、
これに四天王と二童子が配置され
ている。平安時代を代表する九体
の尊厳な仏像が一堂に安置されて
いるのは素晴らしいことである。
   ・・境内の説明板書き転記

大堂・・大堂の内部に安置される仏像


ここ、真木大堂の境内には、国東半島の石像、石碑文化を集め、そのほと
んどの代表的なものを見ることが出来る。
石像文化財・・・板書き転記

国東半島には六郷満山文化の遺産と
して、国東塔、宝篋印塔、五輪塔、
板碑、石仏など多くの石造文化財が
残されております。
これらの古い石造美術品は半島全域
にあって、主に寺院や山岳地帯に存
在しているため、たやすく観賞して
いただくことができませんので、当
市内各地の方々のご協力により、こ
の公園に移しました。
中でも、国東塔と呼ばれる宝塔は、
この国東半島だけしかない荘重優雅
な石造宝塔で他の宝塔と違う特徴と
して基礎が二重または三重に組み立
てられ、台座には蓮華座がつけられ、
相輪の先端に宝珠をを圍んだ火焔刻
まれてあります。国東塔を造立した
目的は、納経のために、また、死者
の「追善供養」或は生前に死者の安
楽を願う「逆修」の為であったり、
また、「墓標」としてつくられたも
のであります。
宝篋印塔は宝篋印陀羅尼経というお
経を納めたもので笠の四隅の飾り突
起が直立している方形の塔でありま
す。
五輪塔は、平安後期から「供養塔」
「舎利塔」としてもちいられたもの
であります。
板碑は、五輪塔形式を簡略化した一
種の「笠塔婆」で塔には梵字を刻ん
だものが多く、卍字を刻んだもので
あります。このほか半島に残された
石仏、熊野磨崖仏をはじめ庚申塔・
石殿・石憧・石祠などがあります。
六郷満山文化を現在に伝えているこ
れらの貴重な遺産は、この土地の人
々とその遠い先祖を結ぶ太いきずな
であり、「くにさき」の風土をこよ
なく美しいものにしている大切なも
のであります。