金剛山報恩寺

sub7b06 2008年08月


宝物
 木造阿弥陀三尊像(県指定重要文化財)/大字麻田 報恩寺所有
塔寺の本尊である阿弥陀如来像は像高1米2糎で蓮華座反花をもつ
台座の上に安置され船型光背を負っている。頭部躯部を通して檜の
一本造り素地彫眼背面を長方形に内子刳を施し蓋板をあてている。
脇侍のうち観世音菩薩像は、頭部および左肘までを含んだ躯部を桧
の一本造りとし、これに肘より先及び右肩を矧ぎ付けてある。両足
はいずれも後補である。いずれも当時創建時代(平安後期)の作と
認められているが、それは特に中尊の両耳朶のうねりの豊かな調法
や両脇侍の低く肉を厚く作る螺髪などが古い様式を示しており、そ
う云った点で平安後期の一つの典型で立派な作と云うことが出来る。
(昭和四十四年三月二十二日県指定)

 鰐口(県指定重要文化財)大字麻田報恩寺所有
鰐口とは仏殿などの軒下につるし参拝のときにならす鈴を扁平にし
た形のものである。当時のものは、青銅製せ、経約七十糎の大きさ
である表の銘文に銘帯右上から「奉施人豊後国武蔵郷麻田村金剛山
報恩寺観音堂者也」とあり、ま又左上から「応永五年三月六日十方
檀那敬白」とあることから今から約五百八十年前のものであること
がわかる。そして最も古い、しかもすぐれた作である。(昭和五十
年三月二十八日 県指定 武蔵町教育委員会)