少しハンディーを持つ青年が登山に参加した。
そのことを知らずにサポートとして参加していた私と友人が、ちょっと危なっかしい
様子を見て手助けをしたら、結構激しく拒否された。ならばと、遠目で見守っている
と、思うようにコントロールの効かない体と必死で戦っている。
彼が、自分の限界と戦っていることを知り、他の参加者に危険が及ばない範囲で手出
しを控えて、すぐ近くでいつでも手を貸せる体制とした。
途中何度か限界を感じたが、彼の意思を尊重して手を出さなかった。ロープにしがみ
つく力の不足を感じた瞬間に後ろからリュックを掴んだ。その瞬間もやや拒否反応気
味だったが、ここは目を合わせずに知らん顔をしていた。
無事下山して、彼の表情はとても明るく和やかだった。私と固く握手もしてくれた。
私の思いが少し分かってもらえた気がしてうれしかった。彼も気持ちも十分に理解で
きた。こんな出会いがうれしい。 |
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