孫のおもりを仰せつかった。
都会暮らしの孫は日頃野山で遊ぶ事は無いだろうと、ぺんぺん草満開の
田んぼの中へ連れ出した。案の定最初は躊躇していたが、徐々にその中
を走り始めた。田んぼと田んぼの石垣をのぼったり降りたり。多少転ん
で泣きもしたが、知らん顔の遠見とした。何度か滑ったり転んだりして
いたが、徐々にコツを掴んだのか、転ばず滑らす上り下り出来るように
なった。気がつけば、高さ2m程の斜面にしがみついて震えている。
さて、助けようかどうしようか?しばらく眺めていたら、草を掴んで徐
々に這い上り始めた。
やらせぬ事には始まらない。助ける事は容易いし、娘に叱られなくてす
む。されど孫の成長の手助けにはならない。 |
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