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懐かしいニオイ/4月11日



私の隣に腰掛けた青年から懐かしいにおいがする。

??さて、何のにおいだろう。駅を三つ程過ぎても思い出せない。

だけど、懐かしいニオイには違いない。

やがて、隣の青年は立ち上がって電車から降りていった。立ち上が

った瞬間、そのニオイは強くなって、徐々に消えていった。

う~ん、あの懐かしいニオイは何だったんだろう?

電車を乗り換えても、そのニオイが気になっていたが、なかなか思

い出せない。・・・そうだ、独身時代の寒い冬に私を暖めてくれた

石油ストーブの燃焼臭だ。・・・やっと思い出した。

今は、だいぶ暖かくなったが、東京はまだまだ寒いのだろう。

あの青年も、私の青春時代に似た生活をしているのだろうか。