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変革/10月28日



自動車業界は、内燃機関動力から電気モーターを動力とする変革の

大きな波を受けようとしている。何を意味するのか?内燃機関は構

造が複雑で、技術の格差がその自動車の魅力差になって、それが、

各メーカーの特徴的な部分の一つになる。あるいは、それが核にな

って、メーカーのブランド力になっていた。ところが、原動機が電

気モーターになった途端、構造がシンプルになり、技術格差が取り

払われる。さらに、新しい技術でのスタートは、既存の自動車メー

カー以外の参入を容易にする。環境的にも、自動車業界は部品の共

通化が進んでおり、似通った構造から、エンジンや変速駆動系以外

の部品やユニットが比較的入手し易い。とりあえず、モーターと電

池さえ組み合わせて、シャシーに載せてタイヤを付けて、ボディー

を載せれば自動車になる。

これと同じような状況の波が、10年ほど前にカメラ業界にも押し

寄せた。この波に、既存のカメラメーカーが飲み込まれ、他業種か

らの参入が起きた。それでもカメラは、特殊な世界で、その他部品

製造のインフラが車ほど整っていなかったことが幸いして、老舗の

ニコンやキヤノンが生き残った。

さて、自動車は、この波をどう被って、どう変化するのか?楽しみ

であり、不安でもある。私は、2年前にハイブリッドに乗り換えた

がハイブリッドは、現状技術の延長線であるから、既存自動車メー

カーの存在感を強くしたに留まっている。さあ、これから内燃機関

エンジンを取り払って、電動機を載せた車造りはどうなるのか?。