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百姓の真似事/1月12日



我が家は何世代も続く百姓である。

その家業を捨ててサラリーマンになった私。

1982年に出戻ったが、百姓は手伝わず、父が出来なくなった時点で

全てを小作にお願いした。されど、小作の価値もない家の回りは自分で

草を切ったり、母の菜園の手伝いをしたりと、百姓の真似事は続けてい

る。今日は、家の下の畑の“こうだ溝”を上げた。たかだか3m程を2

時間かかって上げた。全部で20m程の長さなので、まだまだ完了まで

には程遠い。三鍬(みつぐわ)を振り上げて土塊を掘り上げる。これを

数回繰り返すと息が上がって動けなくなる。これを鎮めるのに三鍬を突

っ張りにしてしばらく休む、また数回・・・・・これを繰り返している

と、徐々に三鍬を振り下ろす回数が減って休む時間が長くなってくる。

百姓の真似事はムダが多い。されど、ムダを無くすと成り立たない。

今日もムダだらけの百姓の真似事で2時間程を楽しんだ。何も考える余

裕の無い、ただただハアハアと息を上げて三鍬を振り下ろす。息を切ら

してハアハアと天を仰ぐ真っ白な時間が実に気持ちいい。

まあ、生活に関係ない百姓の真似事だから言える事なんですが・・・


 ■こうだ溝=田んぼの山側の端に排水の為に掘った溝

 ■三鍬=鍬の先端が三つになった鍬。固まった土を掘り起こす道具